中間ストーリー19
〜支配〜



ここは"正男コントロールセンター"の世界。


1つの組織が戦争を始め、この世界は地獄へと化した。


ゴッドアイ率いる組織「アームド・クライム・ピープル(通称 A・C・P)」は、


かつての犯罪組織「極悪玉団」が所有していた基地を占拠すると同時に「全人類の抹殺計画」を開始した。


だが、勇敢に対抗する者たちも存在した。


数少ない正義を愛す組織"キラット軍"


彼らは人々を殺戮から救う善の心を持った者の集う組織である。


アームド・クライム・ピープル首領の「ゴッドアイ」は、


自身をも含む"21人の悪魔"と共に抵抗戦力の殲滅に乗り出す。


それに対し、"正男の集い場"の世界より迷い込んできた「Immortal God Empire」は


武力を使って全世界を支配することを目的としており


彼らは自分らのやっていることが正義だと思い込んでいる。


そう、現在・・・いや、本来の状態をも含め、この世界には3種類の人間が存在する。


善人悪人偽善者だ



〜A・C・P 本部 サタン・ホォート〜


???「何?新勢力が現れた?」


???2「ああ、なんでも、世界を支配するとかいう目的で戦っているらしい」


???「それで、その組織名と本拠地は分かったのか?・・・ストーム


ストーム「それがまだ"新勢力捜索軍"がその本拠地を探している最中なのだが、どうする?
     援軍としてこのサタン・ホォートに残ってる奴を送るか?ゴッドアイ・・・


ゴッドアイ「いや・・・・・・捜索用も兼ねて機械兵をいつもより多めに撒いておいた。これ以上幹部を送る必要は無いだろう・・・。」



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アームド・クライム・ピープルの幹部衆「ゴッドアイ・スティール・ストーム・ムーンライト」


彼らはこの国で何度も奇跡を起こした伝説の英雄「正男」の旧友であった。


4年前にとある街で起こった大虐殺事件「アタック・スローター事件」


この事件を切欠に彼等と正男の運命は、大きく切り離されてしまったのだ。



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???「ウフ...w これはこれはルドア、魔刈りご苦労様w」


ルドア「死神の帰還に相応しい出向かいだなw」


髑髏の仮面を被っているルドアは軽く鼻息を吹きながら言った。
彼と向かい合っているのは、美しながらも悪魔のように微笑した赤い瞳
そして触手のように長く青紫の髪をした女である。


ルドア「苦労したぞ、邪魔者を避けながら技覚えるのは」


???「どうして?あの時は"あいつらが逃げたから都合がいい"とか言ってたじゃない」


ルドア「化学兵器を使う奴が現れた場合はな。」


???「・・・なるほど そんな物騒なもの使われてちゃあ覚えられないものねw」


ルドア「各世界でWPSに邪魔をされたのは腹立つが、化学兵器野郎以外は貴重な"術のカケラ"
    うかつに殺すのは勿体無い。この世界・・・いや、各世界の人間も同様だ。」


女は"WPS"という単語に反応したかのよう
右手を顎に当て、首をかしげながら言った。


???「WPSといえば、確か銀河を司る金髪の男がいたかしら。」


ルドア「ああ、ラフェンダス=レイティヴだ。今はライとやらと呼ばれてるらしいがな」


女は右手と首を元に戻す。


???「・・・ところで、この世界の事を調べてたんだけど
   どうやらここには全属性を操れるという悪魔がいるらしいわ」


ルドア「何?それは本当か、エリス


エリス「確かアームト・クライム・ピープルという組織の首相ときいたわ」


ルドア「よし、そしつの技・・・・・・私が食らってやる!



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〜その頃の正男たち〜


正男「やっと着いた、俺コントロールセンターの世界か?」


浩二「いきなりボケるな


正男たちが見渡すとそこは山地の中だった。
辺りにはそれなりの高さの木や山がずらーっと並んでおり
建物はおろか、オブジェひとつ無い。


その時、少女の助けを求める声がきこえてきた───


「誰か助けてー!」


浩二「この声は、まさか・・・!?」


浩二はこの声に聞き覚えがあった。


二人が急いでかけつけると黄緑色の髪をした少女が大量の機械兵に追われていた。


軍人にしては可愛らしい瞳・・・
黄緑色に輝く毛並み・・・


声の主は浩二のガールフレンドこと・・・


エミーであった。


彼女の顔を見たと同時に浩二は平安京の力"リーフダッシュ"を使って、機械兵軍団の懐へと入り
機械兵を次々と破壊していった。
正男もそれに続き、炎の剣で機械兵を壊して行く・・・


エミー「・・・浩二?」


エミーは驚きを隠せなかった。
自分がピンチになった時、自分の想っている人が助けに来たのだから・・・


これは偶然なのだろうか



それはともかく、二人が周囲の機械兵を撃退し、彼女の話をきくこととなった───





彼女はこの世界の人間ではない。"正男の集い場"の世界の人間だ。
集い場の世界の正男は既に死んでいたのにも関わらず、彼女は眉間に皺ひとつ寄せていない。

・・・どうなっている。それとも彼女は元々正男の存在を知らないのか?
そう考えてる間にも、彼女は問いだしてきた。



エミー「そちらの方は?」


浩二「ああ、こいつは僕の兄で正男っていうんだ」


正男「兄をこいつ呼ばわりするとは、随分生意気になったな浩二w」


浩二「それは兄さんに似たんだよw」


正男「黙れw」


兄弟のくだらない言い合いが数秒間続き
正男は真剣な顔へと表情を変え、話し出した。


正男「ところでエミーといったっけ。
   話をきかせてくれないか、なぜ機械兵に追われていた?」


エミー「それは話すと長くなるんだけど・・・」


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気付いたら私は一人帝国軍の牢屋の中にいたの。
檻越しには見張りの兵士が二人。
壁はコンクリートで出来てたから属性攻撃を使えば破壊して脱出できたかもしれない。
でも、厄介なことに両手を縄で縛られていたので何も出来ない。


私が一体何をしたの?何でここに捕まってるの・・・?


そればかりか捕まる前は何をしていたか覚えていない、記憶が全く無い。


私はいままで何をしていたの・・・


何がなんだか分からないけど今度こそ、私は死刑になっちゃうのかな・・・


以前は助けがあったからなんとかなったけど今は浩二もいないし・・・



一人で考え込んでも答えなど見つかるはずも無く、エミーは一人ぼんやりとしていた。



しばらくすると天が私に味方をしたのか、この牢屋に救世主が現れた。



コツ・・・


聞きなれない足音が聞こえたと同時に檻越しにいる兵士は
音が聞こえた方に銃を向け、警戒しだした


兵士1「・・・誰だっ!?」


*「誰だと言われるのも無理はねぇ、俺はこの世界の人間ではないからな」


男は灰色のシャツの上に藍色のジャケットを着ている緑髪の男で さらに額には紺色っぽいゴーグルをつけている。
そして手には強力なライフルを持っていた。


彼こそWPS中央司令部の一人・・・



ディレイルである。


ディレイル「ったく、他の世界の物語の登場人物を殺しちゃだめだろ」


エミー「え、なに?全然意味がわからないんだけど・・・」


兵士2「貴様・・・防衛軍のスパイか!!」


ディレイル「ま、後半の"スパイ"はあってるがな。残念ながら俺はそのような軍の者ではない。」


ディレイルは先程帝国軍兵から奪った銃を服の中から取り出した。
それを見た帝国兵士は怒りを覚え、ディレイルに襲い掛かろうとする。


兵士1「奪ったのかテメェー!」


ディレイル「悪く思うなよ?」


ディレイルは即座に銃を二人の兵士に向け
射撃した・・・



それと同時に兵士は胸を押さえながら跪き、うつぶせに倒れた。
ディレイルはその兵士が持っていた牢屋の鍵を奪い取り
エミーを脱獄させようと鍵を開けた。
そして彼女の手足に縛られている縄も隠し持っていたナイフで切る。


エミー「・・・貴方は?」


ディレイル「俺は世界を保護する者だ。」


プルルルルル・・・


突如、トランシーバが鳴った。


ヨシキからだろうか、ディレイルは通話ボタンを押した。


ピッ


ヨシキの声「モニターこそ映されてないから細かい行動は見えないが、今レーダーで救出を確認した。
      その少女も帝国軍も同じ"正男の集い場"の世界の人間だが、そのまま連れて逃げてくれ。」


ディレイル「何?同じ世界の人間なのか・・・(エミーを見る
      おい、エミーといったな。とりあえずお前は牢屋に戻れ。
      同じ世界同士なら助ける必要なんてない」


ヨシキの声「ヲイwww


ディレイル「・・・というのは冗談でさっさとこっから脱出するぞ。
      万が一敵が現れたときの為に武器を渡しておこう。お前の武器は何だ?」


エミー「え?全然話が読めないんだけど・・・
    ・・・まあ私は武器がなくても属性攻撃ができるから必要ないわ」


ディレイル「なら話は早い。さっさと脱出するぞ」


エミー「ええ」


ディレイル「・・・とりあえず、お前らの仲間が近くにいそうな所までは案内してやる
      俺は他に用事があるからその後は自分で探すんだな」


エミー「わかったわ」


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浩二「そう・・・・・・そんなことがあったのか」


エミー「それでそのディレイルって人と別れてどこか安全な場所に逃げようとしてたんだけど」


浩二「機械兵に見つかったんだね」


正男「ん・・・何だ?」


突如、上空にヘリが通った。
中に入っている人は正男達に気がついたのか、こちらに向って降りてくる。

そのヘリは着陸し、扉が開き・・・
一人の男性が地面へと足を運ぶ。

やがて、その男性は口を開いた。


???「おい、キラット軍の英雄がこんな所で何をしている。」


正男「貴方は・・・キラット隊長!


浩二「隊長、どうしてここに?」


キラット「・・・それは後から話す。とりあえずヘリに乗ってくれないか」


正男「分かりました。」


キラット「ところで・・・その緑髪の少女は誰だ?」


キラットはエミーに指をさす。


浩二「えっと、この子は・・・」


キラット「・・・まあいい、何かわけありなんだろう」



正男達3人はキラットの指示通りヘリに乗った。
飛ぶヘリの中で見た通り道の景色には青い空、そして緑が目に映った。
山脈が並ぶ世界でも随一の自然の多さを誇るこの景色、見覚えがあった。
これも正男と浩二の記憶の一部なのだろう。


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キラット軍───

この国の秩序を守る、キラット率いる軍隊。

彼らは"アームド・クライム・ピープル"を初めとする"虐殺者"を捕らえる為、

死を覚悟しながら勇敢に立ち向かっている。



〜キラット軍 本部〜


正男「それで隊長、どうしてあんな所に?」


正男が問いかけると、以外にもキラットは眉間に皺を寄せ、質問に答えず
逆に質問をしてきた。


キラット「・・・今は急ぎではない。俺が質問に答える前にお前に質問がある」


正男は思わず首を傾げた。
その問いに見当もつかなかったのだろう。

一方、浩二の顔は汗ばんでいた。
平均的に発想力の高い浩二は質問の内容に予想がついたのだろう。

やがてキラットは口を開く。


キラット「なぜ、私に黙って基地を出たんだ?」


正男「うっ!それは・・・」


正男は慌てて浩二に助けてくれという印で目線を浩二に向ける。
伝わったのか、浩二は慌てながらも口を開く。


浩二「ぼ・朴達は・・・えぇっと・・・兄弟で修行中なんです!」


正男「ソウソウ、俺たち就業してんだ。」


キラット「焦って変換間違ってるぞww


正男&浩二「(;゜д゜) ・・・・・」


キラット「・・・何か特別な事情がありそうだな」


???「おいおい、兄弟で修行なら俺を入れてくれてもいいよなw 兄貴!」


突如、一人の少年が少々横暴な口調で後ろからコツコツと歩いてきながら言った。
グレーの服の上に着た青色のジャケット。そして茶髪に被った紺色の帽子
正男と浩二は振り向き、その少年の名を同時に呼んだ・・・。





正男&浩二「・・・正治!


正治「全く、今まで何処にいたんだよ、心配かけやがって」


???「兄に向っての口調じゃないでしょ、それは」


正治「それもそうだな・・・真理


正治「ところで、さっきから気になってたんだが、浩二兄さんの後ろにいるのは誰なんだ?」


エミー「あっ・・・えっと、始めまして、私はエミーって言います。」


正治「様子から見ると・・・ハッハ〜ンw
   浩二兄さんにもついにかのj(ry」


浩二「( ;゚Д゚)わああああああああ!!それ以上言うなぁ!


正治「これはやばいよ正男兄さん、弟二人が行っちゃったんだから
   正男兄さんもさっさと女作らないと長男としての立場g(ry」


正男「やかましいっ!!




スタッフA「↑・・・何か今回ギャグ多くね?」


スタッフB「そりゃあまあ・・・今回のストーリーだけ一時的に執筆者が変わってるからな」


作者「↑そこウッサイヨw


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キラット「それでだ、さっき俺たちは情報を調べるために発信錬で捜査していたのだが
     突然新勢力らしき軍に襲撃され、発信棟を奪われた
     大人数で攻めてきたからな・・・俺たちは手も足も出ず、そのまま逃げてきてしまった。」


正男「発信棟が奪われただと!?それになんですか、新勢力って?」


正治「無駄な虐殺は避けつつ、世界を支配しようと企んでいるという謎の帝国軍だ」


エミー「・・・もしかして、その帝国軍はImmortal God Empireと名乗っていませんか?」


キラット「帝国軍を知っているのか?」


浩二「エミーは元々、帝国軍の一員だったのですが、僕を助けたがために反逆の罪で死刑になりかけたんです。」


キラット「死刑だと!?」


真理「だとしたら、彼女は裏切り者として扱われてるわけだから、優先的な標的にされるんじゃ・・・」


浩二「そうなんだよ。だから何があろうと彼女を一人にするのは危険だと思うんだ」


正男「それで今回の作戦とは?」


キラット「ああ、帝国軍に奪われた発信棟を取り戻しに行く!


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ここはグレード・キャニオンに存在する発信棟。この発信棟は、以前キラット軍が使っていた。
ところが、"正男の集い場"の世界で生まれた"武力を使って全世界を支配すること"を目的に作られた軍隊・・・
Immortal God Empire
通称"帝国軍"と呼ばれる彼らによってここは占拠されてしまったのだ。




兵士1「報告します!先程、このグレード・キャニオンに機械兵が入り込んだとの情報が入りました!」


???「何?また十二使徒軍が責めてきたのか?それとも・・・」


兵士1「いえ、それが十二使徒軍のものでもダーク・マターのものでもありません!
    恐らく・・・全く別の軍のものかと・・・」


???「この世界にも機械兵を扱う軍が滞在するのか」


???2「どちらかの軍が新型機械兵を作ったというのも考えたが、それはなかったな。
   明らかに機械の造りが違う・・・」


???「お前は既にその軍と戦ってきたのか、アサシン


アサシン「いや、今出動しているトリトンからそれを聞いただけだ。
     奴によるとどうやら幹部もこの近くに来ているらしい。」


???「どちらにせよ俺たちも動き出さなければならないようだ。
   準備はいいか、アサシン。」


アサシン「ああ、俺は準備万端だ。ブライアン・・・



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キラット「とりあえず今ここにいる全員、飛行艇に乗ってくれ。兵士も500人程連れて行く
     その後手分けして捜査するぞ!」


一同「了解」


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???「どうだ、気配感じるか?」


???2「うん、薄々だけどね・・・」


???「よし、どうやらここは俺好みの世界のようだな
   闘志の福音が鳴り響く・・・






8つ目の世界へとたどり着き
グレード・キャニオンの発信棟を取り戻すこととなった正男達をも含むキラット軍勢
発信棟を占拠し、全世界の支配を企む帝国軍
彼らに割り込み、殺戮を目論むACP軍
この3つの軍勢は一体どのようにして動き出すのか・・・
そして最後に笑う軍は・・・?

今、ルドアによる魔力狩りと共に人権の座を巡る戦いが幕を開ける。




♪Laughter
from nerve(雑音空間)

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