中間ストーリー21
〜人権の座〜
 (1/2)





〜サタン・ホォート〜


ゼドルがゴッドアイと戦っている頃・・・


ロベルト「サイコキネシス!!


ロベルトは目の前にいるストームを対象に
念動力のための物理的エネルギーを発生させた。


しかし・・・彼の動きは素早く、ターゲットのロックオンには失敗してばかりだ。


ストーム「貴様の属性は念力か・・・これは随分と強力な能力の持ち主だな
     だが・・・実力が甘い!


ロベルト「え?」


ストームは彼の武器"ストーム・ロッド"を持ちながらロベルトに向って突進する。
それに対し、ロベルトは慌てて右手のひらをストームに向け、念力で防御した。


ストームはほんの一瞬、突進に専念していたせいか
念動力を食らい、動きが止まった。


ストーム「ほう・・・
     防御に念力を応用したかw
     だが所詮はただの念力・・・エネルギーがいつまで持つかw」


彼が使うのは観念動力サイコキネシス・・・

それは、物理的エネルギーを発生させることによって対象物を動かす能力のこと。
それに対し、自分の念を送り出し、思い通りに物体を動かす念動力"テレキネシス"というものが存在するのだが
彼はその能力を持っていないため、全てを思い通りに動かすことはできないのである。


ロベルト「あまり僕を侮らないほうがいいよ・・・
     サイコキネシス・ファイアフォース!!


ストーム「何!?」


ストームは念力で動きを止められていたが、危機を感じとり、突如現れた炎を辛うじて避けた。
恐らく強風で自分を吹き飛ばし、念力から開放したのだろう。


ストーム「貴様程度の実力でもそんな能力を持っていると、少し骨が折れるな・・・」


ロベルト「どういう意味・・・?」


ストーム「さっき言ったとおりだ
     強力な能力を持ってしても、実力が甘ければ瞬発力が低く
     速い攻撃を見切ることはできない・・・

     つまり多少手こずるが、最終的には俺が勝つってことだw


---------------------------------------------------------------------


ゴッドアイ「マスタースパーク!!」


ゼドル「くそ・・・
    お前、一体いくつ技を持ってるんだ」


ゴッドアイ「忘れたのか?
      我が"無限の力"と言った筈だw
      そろそろ終わりにしてもらおうか・・・」


--------------------------------------------------------------------------


正男「見つけたぞ・・・ルドア!」


ロバートを連れた正男は髑髏の仮面を被った男を見つけ、言った。
その男は右手に長剣を持ち、後ろにはもう一本長剣を背負っている。


ルドア「ん、お前は・・・あの時の男か。
    だが今用があるのはここの総帥さんだ。そこを退いてもらおう」


正男「ゴッドアイの技を覚えるってのか?
   そうはさせん・・・!」


ルドア「邪魔をするというのか。
    ん、待てよ・・・赤い帽子、赤いつなぎ・・・
    もしや貴様、正男か!」


正男「そうだが・・・」


ルドア「フハハハハ!!ww
    これは興味深い!
    いいだろう、まずは貴様と遊んでやる!
    貴様を片付けてから奴の技を食らいに行く」


正男「黙れ!
   世界を融合させた責任、取ってもらうぞ
   ロバートは下がっていてくれ、今コイツを片付ける!」


------------------------------------------------------------------------


その頃・・・
同じサタン・ホォート内での別エリアでは・・・


機械兵「ピー ピー 侵入者 ハッケン タダチニ 駆除スル」


エリス「機械兵が邪魔ね・・・」


彼女は今、ある"作戦"のためにルドアと別行動に移り
この世界で"最大の獲物"ゴッドアイを探している。

その作戦の内容とは、ルドア本人が見つければそのまま技を食らい
エリスが見つければ彼をルドアの所へ誘き出し、技を覚えさせるという内容である。

だが今、彼女の前には大量の機械兵が迫ってきたのだ。
その数は500体くらいはいるだろうか。とても一人では倒しきれたものではない・・・


はずなのだが・・・



彼女は背中から無数の太い触手を出現させ それを振りかざして機械兵を次々と破壊していったのだ!!

ドカーン ドカーン!!


機械兵は次々と爆発し、大量の煙が這い上がった。
やがてそれは煙幕のようにエリスの視界の殆どをきかなくした。


エリス「・・・?」


突如、その煙幕に二人の人影が映った。
体型からして恐らく一人は男性、もう一人は女性だろう。


???「ついにこの時が来ましたか・・・」


???2「今回のミッションでは随分と手こずりそうね、ライ」


エリス「ライ・・・?」


時間が経つごと、徐々に煙幕は消え
互いの姿が見えた。


エリス「おのれライ・・・
    あんたさえいなければ順調に計画が進むところだったのに・・・」


エリスの前に現れたのは、ライとミハリアだった。
ライは"計画"という単語など聞く耳も持たず喋る。


ライ「貴方がルドアの仲間ですか?
   ルドア本人も来ていると聞きましたがここにはいないようですね。」


エリス「いかにも・・・私の名はエリス。
    ルドアのパートナーよ。」


ライ「またしても聞いたことの無い名前ですね・・・。
   まあ、今の貴方の攻撃からみてなかなかの実力は持っているそうですが」


エリス「たった一回の攻撃でよく分かってるじゃない。
    でも、今後ろにある私の触手を見れば馬鹿でもわかるわね」


ライ「馬鹿とは言ってくれますね・・・エリス
   ですがこれだけは言っておきましょう・・・
   例え貴方が持つ全ての触手を振りかざしたとしても
   貴方では私に勝つことはできません


エリス「ほう、えらい自信じゃないw」


ライ「自信ではありませんよ。
   私はただ事実を言ったまでです。」


エリス「ならば試してみようかしら?」


ミハリア「この"二対一"という状況で戦おうとは大した度胸ね」


ライ「・・・ミハリア、貴方は下がってなさい。
   ここは私が何とかしましょう。」


ミハリア「わかったわ・・・(下がる」


エリスは触手をライに向って振りかざす。
しかし・・・


ライ「エターナル・エクスクルージョン・・・」


ライはそう唱えながら右手のひらをエリスに向け
何のモーションも無しに無の波動を発動した。


エリス「ぐっ!!」


エリスは油断したのか、避けきることが出来なかった。
触手でガードはしたもののその衝撃は強く、それに吹き飛ばされ軽く壁に叩きつけられた。


エリス「これがルドアと互角に戦う力・・・
    成る程、これは確かに私でも簡単には勝てなさそうね」


エリスは今出ている全ての触手を振りかざし、ライを襲う。
しかし、彼の動きは素早く、一向に食らう様子は無い。


ライ「メテオディビジョン!!」


突如、室内が銀河と化し
無数の隕石のようなものが次々と軌道に沿って流れる。
その一部はエリスに向かって突撃し、彼女を襲った。


エリス「!!」


エリスは太い触手を隕石にぶつけ、跳ね返す。
無数の隕石が襲ってくる中、その行動を繰り返しているが
彼女に疲れた様子は全く無い。恐らく彼女自身はあまり動いていないからだろう。

それに対してライも続けて時空魔術を発動しているが
一向に疲れる様子は無い。

エリスは隕石によって触手に傷ついていたが
その傷はなぜか修復していったのだ。


エリス「いくら隕石を降らしても無駄よw
    私のこの触手は傷が付いても瞬時に細胞を増殖させ、傷口を修復
    すなわち再生するからそう簡単に私に勝つなんてことはできないわ」


ライ「つまり貴方は細胞分裂の能力者ということですね。
   しかし、あまり自分の能力の情報を喋ると危険ですよ・・・」


エリス「どういう意味?」


ライ「細胞分裂とは、一つの細胞が栄養素を取り込み、2個以上の娘細胞に増える現象・・・
   人間も含む"多細胞生物"では細胞分裂によって細胞数を増やすことで個体を形成し
   またその後も様々な生物現象に伴って細胞分裂が起きる。
   貴方はそのスピードを早める能力の持ち主で、瞬時に傷口を修復することができる。」


エリス「そうよ、それが何か?」


ライ「しかし、もし攻撃を受け続け、栄養素を使い果たしてしまえば
   栄養素の不足によって皮膚の細胞分裂が鈍くなり、再生は続かない


エリス「でもその前に貴方の魔力が無くなる。
    ルドアと戦うための魔力は残しておかなければならないのではないかしら?」


ライ「よく分かっているじゃないですか。エリス」


ライは両手を挙げ、銀河と化した一室を元に戻す。
もちろんその瞬間、隕石も消滅した。


ライ「仰るとおり、私はルドアと会うため、こんなところで魔力を使い果たすわけにはいきません。
   最後にひとつ言っておきましょう・・・世界混雑が続いている限り
   我々WPSはいつまでもあなた方を監視していますから・・・」


ライはそういうとミハリアがライに近づく


ミハリアは闇の霧を発生させ、二人の姿を隠した。


エリス「・・・?」


黒い霧が晴れると、そこにはもう二人はいなかった。


エリス(黒い霧で二人が消えた?
    あの女はもしかして闇属性・・・?)


---------------------------------------------------------------------------


正男「フレイム・スラッシュ!


平安京の世界での力・・・
正男は剣を振り、炎の輪を発射した。


ルドア「無駄だ・・・(避
    貴様の攻撃など、私には通用せんのだ」


ルドアは目にも留まらぬスピードで正男のほうへ向っていき、一閃加えた!


ガキン!


俺の剣とルドアの剣がぶつかり金属音が鳴り響いた。
互いの剣と剣は押し合いとなり、二人の剣は互いにガタガタと震える・・・。


ルドア「ほほう・・・
    私と互角に戦えるとは、流石はWPSの狗といったところか」


正男(狗・・・?
   何でこいつは俺たちがWPSの狗になっているということを知っているんだ?)


正男「ああそうさ。
   だが、油断はするなよw
   火炎放射!!


これはヨシキワールドでの力。
現在の状況を維持したまま、正男は口から火炎を吐いた!
ルドアはそれとほぼ同時に正男から離れ
とっさに後ろからもう一本の剣を取り出し、剣を盾にすることでその火炎を防いだ。

そして・・・





ルドア「今の技・・・
    覚えた!


正男「何!!」


ルドア「火炎放射


ルドアは先程の正男と同じようにして炎を口から吐いた!
それは彼と同じ行動であった。

ただ一つ違うのは・・・



炎の威力であった。


今、ルドアが吐いている炎はオリジナルの比ではなく
およそ2倍の火力で正男を襲ったのだ。
なぜこんなにも威力が違うのだろうか。
恐らく同じ技でも魔力さえ高ければそれだけ威力が上がるのだろう。


正男は左にずれることでその炎をギリギリで避けることができたが
あまりの違和感に正男には焦りの表情が見えてきた。


ロバート(技を覚えただって?)


正男(俺のオリジナルの比じゃない?)


正男は先程までルドアのいた場所を見たが
そこには既に誰もいなかった。


そこで正男は思った。


今、ルドアは右にある炎越しにいるのだろうと。
正男は咄嗟に炎のほうを向き、構えた。


その炎が通過した瞬間、ルドアが正男に向って突進してきた!


ルドア「ポテンシャルが違う」


正男「!!」


ルドア「集い場の力、発動!
    ナイトメア・トーチュア!!


正男「うお(避」


桁違いの強さを見せるルドア。
力が融合させた正男からしてもその事実に変わりは無い。
ましてや今の正男は先程の直で踏んだ地雷で大きなダメージを受けている。
キラット軍の基地で安静にする時間などなかった正男にとってこの状況は非常に拙い状況と言えるだろう。


正男(くそ・・・
   今はそんなに体力回復してねぇし、このままじゃ不利だ・・・)


正男は助けを求めた。その時・・・


???「旧友であるそいつは死なせねぇ!!」


???2「ようやく会えたわね」


正男「ふん、遅かったじゃねぇかw
   ザトシ、クリス!


ザトシ「どうやら、俺とクリスはサイトによって大きくキャラデザインが違うから
    体が融合する際、個性の違いとやらで中和に時間がかかったみたいだな」


正男「つーかここが分かったってことはもしやお前等もWPSの狗になったかw」


クリス「うん、東方司令部部隊隊長のヘルメスって人がこの近くまで案内してくれたわ」


正男「そいつは今どこに?」


ザトシ「わからんな・・・
    あいつもあいつで次から次へと任務が来るみたいだからな」


正男「そうか・・・」


ルドア「フッw
    貴様等のような奴が束になったところで、私に勝てるとでも言うのか?」


クリス「未来なんて誰にも見えない
    やる前から自分が絶対勝つみたいな言い方は止めてくれないかしら?」


ルドア「いいだろう、かかって来い!」


今いる3人は今まで無数の敵と戦ってきたが
その数々の黒幕たちとは比べ物にならない程のプレッシャーを感じたせいか
3人は一向に技を出そうとしない。


ルドア「来ないのならこちらから行くぞ・・・クラッシャー・フレア


ザトシ(あれは確か・・・中林(※第二章参照)の技!
    それにしてもなぜあいつがこの技を?)


クリス目掛けて炎の球を発射した。


クリス「氷結!噴射!!


ルドアによる炎の球はクリスの技によって凍結し
その場で氷として崩れ落ちた。


ザトシ「ならば・・・
    ポイズン・ニードル!!」


ルドア「(避
    そんな単純な攻撃で私がやられるとでも思っているのか」


正男「今だ!ブライトネス・ファルシオン・スラッシュ +



    波動拳!!



正男はルドアの隙を見て
大いなる光の力をAOKの世界での力、"波動拳"の一部とし
ルドアに向かって放つ。


ルドア「おっと・・・(避」


???「エターナル・エクスクルージョン」


突如、無の波動がルドア目掛けて放たれた。
その波動は彼の仮面に激突し、ヒビが入った!!

今にもその仮面はもう崩れそうな状態だ。


ルドアは仮面を右手で抑えながら言う。


ルドア「流石にこの技は効くな・・・
    それに正男といったか。貴様の合成技も中々の威力だ」


ライ「ようやく会えましたね、ルドア。
   貴方は自らの実力に自画自賛し、自分より穎脱した者を貶す・・・
   それを目的に異次元での魔力狩りをするがために貴方は事件を起こした。
   違いますか?ロベルス=ディストリア・・・


ルドア「ほう、俺の正体を暴くとは流石だな、ラフェンダス。
    いや・・・こう呼ぶべきか、ライ・・・」


ルドアは言い終えると、右手を下ろす。
それと同時に顔面についてた砕かれた仮面も床に崩れ落ちた。


これぞ皆、初めてルドアの素顔見た瞬間だった。





ルドア「それにしても融合人3人とライまでも来るとはな・・・
    流石にこれでは片が付かん。
    まあいい、どうせ後に世界は混ざるのだ。
    "奴"の技はそのときに刈らせて貰おうw」


ルドアがそういうと、突如彼の目の前に現れた異次元のゲートを開き
吸い込まれるようにして他の世界へと逃げ込んだ。


正男「あいつ・・・また逃げやがった・・・!!」


ロバート「・・・今の人は誰ですか?」


正男「ルドアだ。
   奴は相手が出した技を1度体感、もしくは見ればを覚えることができる能力の持ち主だ」


ザトシ「覚えるだって!?奴は何属性だ?」


正男「全てだ・・・奴は何属性であろうと覚えるんだ」


ザトシ「嘘だろ・・・?
    おい、そこの金髪。あいつと知り合いなのか?奴は一体何者なんだ?」


ライ「彼は昔、私と同じ世界に住んでいた。
   後は先程私が言った通りですよ。」


ザトシ「奴が貶す"穎脱した者"ってお前のことじゃないのか?」


ライ「奴に貶されるとは、侵害ですね。
   しかしそうも言っていられない。
   ・・・行きますよ、別世界の人間がゴッドアイ達に苦戦しています」


正男「ゼドル・・・!!
   急いで戻ろう!」


クリス「他には誰かいないの?浩二は?」


正男「最初は全員同じ行動してたが、突然大量の機械兵が現れたからそこは浩二達に任せた。
   今、浩二達は3人の仲間と共にその機械兵軍と戦っている。」


ザトシ「そうか・・・」


正男「できればゴッドアイ撃退組と機械兵軍撃退組とで手分けして捜査したいのだが、今この場でレーダーを持っているのは俺だけ・・・
   つまりひとつしかないんだ。だから連絡を取り合って動くしかなさそうだ」


ミハリア「WPS専用のレーダーなら私もライも持ってるわ
     どこの次元にも対応してるから使いやすい」


クリス「本当に?それは助かるわ」


ザトシ「よし、そうと決まればメンバーを決めよう」


正男「まずは人数だが・・・
   機械兵組は既にそれなりに人数がいるから俺たち援軍は少なめでも大丈夫か」


ザトシ「いや、既に人数がいるにしても体力が保っていられてるかどうかが問題だ
    俺たち援軍の人数は均等にしたほうがいい。それに、幹部と戦っている可能性も考えられるからな」


正男「そうだな・・・
   ゴッドアイも相当な実力者だから俺だけで勝てるかどうかも危うい」


ザトシ「なら俺はゴッドアイ撃退組に入る。」


正男「ああ、ザトシが入ってくれると頼もしい」


ライ「私も貴方たちについて行きましょう。
   別世界の人間が奴と戦っているというのならそれを止める義務がある。」


正男「WPSは専用レーダー持ちだからライとミハリアは別行動になるな。
   レーダーの貸し借りはできないんだろ?」


ミハリア「ええ、レーダーをWPS以外の人間に貸すのは保護協会の戒律で禁じられているわ」


正男「じゃあ
   ゴッドアイ組:俺、ザトシ、ライ。
   機械兵組:クリス、ミハリア、ロバート。ってことでOKだな?」


一同「OK」


---------------------------------------------------------------------


ゼドル「ハァハァ...」


ゴッドアイ「貴様は正男と同等の実力は持っているようだな
      だがあいつも所詮1属性しか扱えぬ屑だ・・・w
      大人しくしていろ、今楽にしてやるw」


???「その余裕もここまでだ」


ゴッドアイ「正男か・・・」


ここに来たのは正男とザトシとライだ。


ゴッドアイ「俺はこの闇の剣士と戦って多少魔力消費した。
      正男も機械兵共と戦って多少魔力消費した。これは丁度良い・・・w
      正男、正々堂々1対1で勝負だ
      もし貴様が勝ったら人質を返してやる」


ゴッドアイが左指をパチンと鳴らすと
突然天井の一部がハッチのように開き
その中から頑丈な鎖で吊られている箱型の檻、いわば四角型の牢屋が 床から約10メートルの空中まで下りてきて、そこで停止する。

その牢屋の中には見覚えのある面が二人いる。
正男はその牢屋の中にいる人間の名を叫んだ。




正男「正治!真理!


正治「兄貴!」


真理「正男さん、ザトシさん!」


ゴッドアイ「ただし、貴様が負けた場合は・・・
      わかっているな。」


正男「ここで逃げても何も始まらん。
   いいだろう、受けて経つ!!


ゴッドアイ「正男よ・・・
      今度こそ俺のこの手で貴様の息の根を止めてやる!!」


---------------------------------------------------------------------------------


一方、ロベルトは・・・


ストーム「やはり実力は甘いw
     いや・・・実力はそれなりにあるのか?」


ロベルト「・・・」


ストーム「成る程分かったぞ
     お前、戦いを好むタイプじゃないな?


ロベルト「そんなの、当たり前だろ・・・」


ストーム「では聞くが、戦いを好まずに強くなれると思っているのか?」


ロベルト「それはつまり、殺意が人を強くすると言いたいの?」


ストーム「そうだ」


ロベルト「そんな!何を根拠にそんなこと言ってるの?」


ストーム「簡単なことだ・・・
     俺たちの存在そのものがそれを証明しているじゃないか


???「話の途中悪いけど、ここまでよ」


???2「助けに来ましたよ、ロベルトさん」


喋ったのは順にクリスとロバート。
そしてその後ろにいるのはミハリア。


ミハリア「貴方たちは機械兵をお願い
     こいつは、私が何とかしておくから」


ロベルト「わかったよ」


クリスとロベルトとロバートは浩二達が戦っている方向へと向った。


ストーム「何とかしておくだと?
     まるで俺よりお前の方が強いかのような言い方だな・・・面白い!!


ミハリア「まあ、それは今に分かるわ」


その瞬間、ミハリアの周りに黒い闇が現れた。
それは彼女の魔力なのか、その闇は渦を作り、ストームのほうへと向かっていく。


ストーム「おっと・・・(避
     成る程、貴様は闇の属性か」


ミハリア「見とれるでしょ?
     でもこれは本のイントロに過ぎない・・・

     本番はこれからよ!



     ミュートグランツ!!


右手のひらをストームに向けながら彼女がそう唱えると
彼女の右手のひらからはレイガンの如く、光のレーザーが放たれ連射された。


素早さを重視とするストームは次々とレーザーを避けているものの
2つの属性を使っていることに対しては驚きを隠せないようだ。


ストーム(馬鹿な・・・これは光?)


なんと言うことだろう

彼女は2つの属性を操った

諸君等にはそう見えるだろう

しかし、彼女は単純に二つの属性を操っている訳ではないのだ。


彼女の住んでいた世界には、1つの属性、もしくはその属性攻撃を吸収し
それを放つという魔技術が発展している。


例えば周囲の熱エネルギーを吸収することで辺り一面を凍結させて
後にその熱を攻撃エネルギーとして放つ能力や・・・

周囲の水分を吸収し、辺りを呼吸を困難にさせるほどの乾燥空気にさせて
後にその水分を攻撃エネルギーとして放つ能力など・・・

上記のように1つの属性を吸収して反属性を発生させる能力は幾つか存在するが
彼女はその中でも光を吸収する

つまり彼女の基本能力は・・・









周囲の光エネルギーを吸収することで闇を発生させ
後に光エネルギーを攻撃エネルギーとして放つという活気的な能力なのだ。



光エネルギーを吸収する・・・
その行為自体が"攻撃"や"防御"としても機能し
相手に二つの属性を司る能力と見せかけることができる。

仕組みを理解してしまえば単純なシステムだが
ストームがこの能力を理解することは恐らく困難だろう。


ストーム「ふん、だがたった2つの属性を扱えるだけでどうせ実力は無いんだろ?
     なら一瞬で殺してやるw」


ストームは杖を持ちながらミハリア目掛けて突進する。
属性が関係しているのか、やはり彼のスピードを追うのは困難だ。


ミハリア(あのスピードで接近戦を受け入れるのは危険ね
     こうなったら・・・)


ミハリアは再び光エネルギー吸収のために
闇の霧を発生させ、その霧を煙幕とし
ストームの標的をあやふやにした。


ストーム「・・・今度はけむり玉効果か
     これは接近戦は避けるべきだな」


ミハリア(かかったw)


ミハリアはできるだけストームとの距離を置くために
霧の中で逆方向へと走り出した。


やがて霧は晴れ・・・


ミハリア「アーク・イレイサー!!


彼女は手のひらを上に向けながら両手を"万歳"の如く上げ
その手の上に巨大な光球体が現れた。


ストームは足の動きを止めた。


ストーム(あの球は・・・?)


その光の球はたがて直径2〜3メートル程のものとなり
ミハリアが両手をストームに向けるとその球は
ストーム目掛けて発射する。


ストームは辛うじてその球を避けたが・・・



避けた筈のその球は曲がり
何とストームを追ってきたのだ!!


そう、これは追尾式の球。


これを読めなかったストームは流石にまんまとその球に飲み込まれてしまった。

が、直接肉体にダメージを与えることは無く
彼にとっては体力がじわじわと吸い取られるような感覚だった。


数秒後、その光の球は消滅し
それを食らった彼は跪いた。


ストーム「くっ・・・!!」


ミハリア「さあ、観念しなさい」


ストーム「今日はこの辺で勘弁しといてやる」


そう言って彼はどこかへ逃げた。


ミハリア「終わったわね・・・
     機械兵ももうそろそろ片付いた頃かしら」


-----------------------------------------------------------------------


その頃、浩二達は・・・


浩二「ふぅ、やっと片付いたね」


???「どうやら機械兵も終わっているようね
   ストームのほうも片付けておいたわ」


クリス「お疲れ様、ミハリアさん」


キラット「あんたが協力者か、ご協力感謝する。
     ところで正男達はどうしたんだ?正治と真理は?」


ミハリア「ゴッドアイと戦っているわ
     人質もそこにいる。」


キラット「ここらはもう片付いたし
     正男達の所へ急ごう」


------------------------------------------------------------------------------


〜その頃の正男たち〜


ゴッドアイ「流石は永遠のライバルw
      以前はショボかった炎が俺の予想を遥かに超えるほど進歩しているようだな」


正男(すごい・・・
   以前は全然敵わなかったコイツにも
   力が融合することでこんなにも互角に戦えるようになるのか)


ゴッドアイ「・・・何を自惚れている
      まあ無理も無いか、ようやくこの俺と互角に戦えるようになったんだからな」


正男「"この俺"・・・?自惚れているのは貴様の方だろうが」


ゴッドアイ「なら試してみようじゃないか
      この一瞬でな!」


正男「ああ、そろそろ終わりにしよう・・・」


正男「行くぞ!(突進」


ゴッドアイ「無駄な足掻きを・・・(突進」


キュピーン...


--------------------------------------------------------------------------------


〜サタン・ホォート 外 キラット軍飛行艇前〜


結局、ACP全員に逃走されたものの
何とか正治と真理の救出に成功した正男達。


キラット「何とか死者を出さずに済んだな」


飛行艇から出てきた兵士「皆さんお疲れ様です!」


キラット「そっちこそ、監視ご苦労だったな。敵は来なかったか?」


兵士「はい、こちらへの敵襲は一切ありませんでした!」


キラット「よし、皆ご苦労だった。
     飛行艇に乗ってくれ。」


キラット軍一同は次々と飛行艇へ乗ろうとする。


正男、浩二、ザトシ、クリス
そしてゼドルとロベルトを除いて・・・



キラット「どうした?乗らないのか?」


キラットのこの一言と同時に
飛行艇に乗ろうとしている人たちの足が止まった。


正男「俺たちには・・・
   他にやらなければならないことがある。









次へ


♪Nintendo DS「Phoenix Wright: Ace Attorney」より
from VGMusic

inserted by FC2 system