中間ストーリー21
〜人権の座〜 (1/2)
〜サタン・ホォート〜
ゼドルがゴッドアイと戦っている頃・・・
ロベルト「サイコキネシス!!」
ロベルトは目の前にいるストームを対象に
念動力のための物理的エネルギーを発生させた。
しかし・・・彼の動きは素早く、ターゲットのロックオンには失敗してばかりだ。
ストーム「貴様の属性は念力か・・・これは随分と強力な能力の持ち主だな
だが・・・実力が甘い!」
ロベルト「え?」
ストームは彼の武器"ストーム・ロッド"を持ちながらロベルトに向って突進する。
それに対し、ロベルトは慌てて右手のひらをストームに向け、念力で防御した。
ストームはほんの一瞬、突進に専念していたせいか
念動力を食らい、動きが止まった。
ストーム「ほう・・・
防御に念力を応用したかw
だが所詮はただの念力・・・エネルギーがいつまで持つかw」
彼が使うのは観念動力・・・
それは、物理的エネルギーを発生させることによって対象物を動かす能力のこと。
それに対し、自分の念を送り出し、思い通りに物体を動かす念動力"テレキネシス"というものが存在するのだが
彼はその能力を持っていないため、全てを思い通りに動かすことはできないのである。
ロベルト「あまり僕を侮らないほうがいいよ・・・
サイコキネシス・ファイアフォース!!」
ストーム「何!?」
ストームは念力で動きを止められていたが、危機を感じとり、突如現れた炎を辛うじて避けた。
恐らく強風で自分を吹き飛ばし、念力から開放したのだろう。
ストーム「貴様程度の実力でもそんな能力を持っていると、少し骨が折れるな・・・」
ロベルト「どういう意味・・・?」
ストーム「さっき言ったとおりだ
強力な能力を持ってしても、実力が甘ければ瞬発力が低く
速い攻撃を見切ることはできない・・・
つまり多少手こずるが、最終的には俺が勝つってことだw」
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ゴッドアイ「マスタースパーク!!」
ゼドル「くそ・・・
お前、一体いくつ技を持ってるんだ」
ゴッドアイ「忘れたのか?
我が"無限の力"と言った筈だw
そろそろ終わりにしてもらおうか・・・」
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正男「見つけたぞ・・・ルドア!」
ロバートを連れた正男は髑髏の仮面を被った男を見つけ、言った。
その男は右手に長剣を持ち、後ろにはもう一本長剣を背負っている。
ルドア「ん、お前は・・・あの時の男か。
だが今用があるのはここの総帥さんだ。そこを退いてもらおう」
正男「ゴッドアイの技を覚えるってのか?
そうはさせん・・・!」
ルドア「邪魔をするというのか。
ん、待てよ・・・赤い帽子、赤いつなぎ・・・
もしや貴様、正男か!」
正男「そうだが・・・」
ルドア「フハハハハ!!ww
これは興味深い!
いいだろう、まずは貴様と遊んでやる!
貴様を片付けてから奴の技を食らいに行く」
正男「黙れ!
世界を融合させた責任、取ってもらうぞ
ロバートは下がっていてくれ、今コイツを片付ける!」
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その頃・・・
同じサタン・ホォート内での別エリアでは・・・
機械兵「ピー ピー 侵入者 ハッケン タダチニ 駆除スル」
エリス「機械兵が邪魔ね・・・」
彼女は今、ある"作戦"のためにルドアと別行動に移り
この世界で"最大の獲物"ゴッドアイを探している。
その作戦の内容とは、ルドア本人が見つければそのまま技を食らい
エリスが見つければ彼をルドアの所へ誘き出し、技を覚えさせるという内容である。
だが今、彼女の前には大量の機械兵が迫ってきたのだ。
その数は500体くらいはいるだろうか。とても一人では倒しきれたものではない・・・
はずなのだが・・・
彼女は背中から無数の太い触手を出現させ
それを振りかざして機械兵を次々と破壊していったのだ!!
ドカーン ドカーン!!
機械兵は次々と爆発し、大量の煙が這い上がった。
やがてそれは煙幕のようにエリスの視界の殆どをきかなくした。
エリス「・・・?」
突如、その煙幕に二人の人影が映った。
体型からして恐らく一人は男性、もう一人は女性だろう。
???「ついにこの時が来ましたか・・・」
???2「今回のミッションでは随分と手こずりそうね、ライ」
エリス「ライ・・・?」
時間が経つごと、徐々に煙幕は消え
互いの姿が見えた。
エリス「おのれライ・・・
あんたさえいなければ順調に計画が進むところだったのに・・・」
エリスの前に現れたのは、ライとミハリアだった。
ライは"計画"という単語など聞く耳も持たず喋る。
ライ「貴方がルドアの仲間ですか?
ルドア本人も来ていると聞きましたがここにはいないようですね。」
エリス「いかにも・・・私の名はエリス。
ルドアのパートナーよ。」
ライ「またしても聞いたことの無い名前ですね・・・。
まあ、今の貴方の攻撃からみてなかなかの実力は持っているそうですが」
エリス「たった一回の攻撃でよく分かってるじゃない。
でも、今後ろにある私の触手を見れば馬鹿でもわかるわね」
ライ「馬鹿とは言ってくれますね・・・エリス
ですがこれだけは言っておきましょう・・・
例え貴方が持つ全ての触手を振りかざしたとしても
貴方では私に勝つことはできません」
エリス「ほう、えらい自信じゃないw」
ライ「自信ではありませんよ。
私はただ事実を言ったまでです。」
エリス「ならば試してみようかしら?」
ミハリア「この"二対一"という状況で戦おうとは大した度胸ね」
ライ「・・・ミハリア、貴方は下がってなさい。
ここは私が何とかしましょう。」
ミハリア「わかったわ・・・(下がる」
エリスは触手をライに向って振りかざす。
しかし・・・
ライ「エターナル・エクスクルージョン・・・」
ライはそう唱えながら右手のひらをエリスに向け
何のモーションも無しに無の波動を発動した。
エリス「ぐっ!!」
エリスは油断したのか、避けきることが出来なかった。
触手でガードはしたもののその衝撃は強く、それに吹き飛ばされ軽く壁に叩きつけられた。
エリス「これがルドアと互角に戦う力・・・
成る程、これは確かに私でも簡単には勝てなさそうね」
エリスは今出ている全ての触手を振りかざし、ライを襲う。
しかし、彼の動きは素早く、一向に食らう様子は無い。
ライ「メテオディビジョン!!」
突如、室内が銀河と化し
無数の隕石のようなものが次々と軌道に沿って流れる。
その一部はエリスに向かって突撃し、彼女を襲った。
エリス「!!」
エリスは太い触手を隕石にぶつけ、跳ね返す。
無数の隕石が襲ってくる中、その行動を繰り返しているが
彼女に疲れた様子は全く無い。恐らく彼女自身はあまり動いていないからだろう。
それに対してライも続けて時空魔術を発動しているが
一向に疲れる様子は無い。
エリスは隕石によって触手に傷ついていたが
その傷はなぜか修復していったのだ。
エリス「いくら隕石を降らしても無駄よw
私のこの触手は傷が付いても瞬時に細胞を増殖させ、傷口を修復
すなわち再生するからそう簡単に私に勝つなんてことはできないわ」
ライ「つまり貴方は細胞分裂の能力者ということですね。
しかし、あまり自分の能力の情報を喋ると危険ですよ・・・」
エリス「どういう意味?」
ライ「細胞分裂とは、一つの細胞が栄養素を取り込み、2個以上の娘細胞に増える現象・・・
人間も含む"多細胞生物"では細胞分裂によって細胞数を増やすことで個体を形成し
またその後も様々な生物現象に伴って細胞分裂が起きる。
貴方はそのスピードを早める能力の持ち主で、瞬時に傷口を修復することができる。」
エリス「そうよ、それが何か?」
ライ「しかし、もし攻撃を受け続け、栄養素を使い果たしてしまえば
栄養素の不足によって皮膚の細胞分裂が鈍くなり、再生は続かない」
エリス「でもその前に貴方の魔力が無くなる。
ルドアと戦うための魔力は残しておかなければならないのではないかしら?」
ライ「よく分かっているじゃないですか。エリス」
ライは両手を挙げ、銀河と化した一室を元に戻す。
もちろんその瞬間、隕石も消滅した。
ライ「仰るとおり、私はルドアと会うため、こんなところで魔力を使い果たすわけにはいきません。
最後にひとつ言っておきましょう・・・世界混雑が続いている限り
我々WPSはいつまでもあなた方を監視していますから・・・」
ライはそういうとミハリアがライに近づく
ミハリアは闇の霧を発生させ、二人の姿を隠した。
エリス「・・・?」
黒い霧が晴れると、そこにはもう二人はいなかった。
エリス(黒い霧で二人が消えた?
あの女はもしかして闇属性・・・?)
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正男「フレイム・スラッシュ!」
平安京の世界での力・・・
正男は剣を振り、炎の輪を発射した。
ルドア「無駄だ・・・(避
貴様の攻撃など、私には通用せんのだ」
ルドアは目にも留まらぬスピードで正男のほうへ向っていき、一閃加えた!
ガキン!
俺の剣とルドアの剣がぶつかり金属音が鳴り響いた。
互いの剣と剣は押し合いとなり、二人の剣は互いにガタガタと震える・・・。
ルドア「ほほう・・・
私と互角に戦えるとは、流石はWPSの狗といったところか」
正男(狗・・・?
何でこいつは俺たちがWPSの狗になっているということを知っているんだ?)
正男「ああそうさ。
だが、油断はするなよw
火炎放射!!」
これはヨシキワールドでの力。
現在の状況を維持したまま、正男は口から火炎を吐いた!
ルドアはそれとほぼ同時に正男から離れ
とっさに後ろからもう一本の剣を取り出し、剣を盾にすることでその火炎を防いだ。
そして・・・
ルドア「今の技・・・
覚えた!」
正男「何!!」
ルドア「火炎放射」
ルドアは先程の正男と同じようにして炎を口から吐いた!
それは彼と同じ行動であった。
ただ一つ違うのは・・・
炎の威力であった。
今、ルドアが吐いている炎はオリジナルの比ではなく
およそ2倍の火力で正男を襲ったのだ。
なぜこんなにも威力が違うのだろうか。
恐らく同じ技でも魔力さえ高ければそれだけ威力が上がるのだろう。
正男は左にずれることでその炎をギリギリで避けることができたが
あまりの違和感に正男には焦りの表情が見えてきた。
ロバート(技を覚えただって?)
正男(俺のオリジナルの比じゃない?)
正男は先程までルドアのいた場所を見たが
そこには既に誰もいなかった。
そこで正男は思った。
今、ルドアは右にある炎越しにいるのだろうと。
正男は咄嗟に炎のほうを向き、構えた。
その炎が通過した瞬間、ルドアが正男に向って突進してきた!
ルドア「ポテンシャルが違う」
正男「!!」
ルドア「集い場の力、発動!
ナイトメア・トーチュア!!」
正男「うお(避」
桁違いの強さを見せるルドア。
力が融合させた正男からしてもその事実に変わりは無い。
ましてや今の正男は先程の直で踏んだ地雷で大きなダメージを受けている。
キラット軍の基地で安静にする時間などなかった正男にとってこの状況は非常に拙い状況と言えるだろう。
正男(くそ・・・
今はそんなに体力回復してねぇし、このままじゃ不利だ・・・)
正男は助けを求めた。その時・・・
???「旧友であるそいつは死なせねぇ!!」
???2「ようやく会えたわね」
正男「ふん、遅かったじゃねぇかw
ザトシ、クリス!」
ザトシ「どうやら、俺とクリスはサイトによって大きくキャラデザインが違うから
体が融合する際、個性の違いとやらで中和に時間がかかったみたいだな」
正男「つーかここが分かったってことはもしやお前等もWPSの狗になったかw」
クリス「うん、東方司令部部隊隊長のヘルメスって人がこの近くまで案内してくれたわ」
正男「そいつは今どこに?」
ザトシ「わからんな・・・
あいつもあいつで次から次へと任務が来るみたいだからな」
正男「そうか・・・」
ルドア「フッw
貴様等のような奴が束になったところで、私に勝てるとでも言うのか?」
クリス「未来なんて誰にも見えない
やる前から自分が絶対勝つみたいな言い方は止めてくれないかしら?」
ルドア「いいだろう、かかって来い!」
今いる3人は今まで無数の敵と戦ってきたが
その数々の黒幕たちとは比べ物にならない程のプレッシャーを感じたせいか
3人は一向に技を出そうとしない。
ルドア「来ないのならこちらから行くぞ・・・クラッシャー・フレア」
ザトシ(あれは確か・・・中林(※第二章参照)の技!
それにしてもなぜあいつがこの技を?)
クリス目掛けて炎の球を発射した。
クリス「氷結!噴射!!」
ルドアによる炎の球はクリスの技によって凍結し
その場で氷として崩れ落ちた。
ザトシ「ならば・・・
ポイズン・ニードル!!」
ルドア「(避
そんな単純な攻撃で私がやられるとでも思っているのか」
正男「今だ!ブライトネス・ファルシオン・スラッシュ +
波動拳!!」
正男はルドアの隙を見て
大いなる光の力をAOKの世界での力、"波動拳"の一部とし
ルドアに向かって放つ。
ルドア「おっと・・・(避」
???「エターナル・エクスクルージョン」
突如、無の波動がルドア目掛けて放たれた。
その波動は彼の仮面に激突し、ヒビが入った!!
今にもその仮面はもう崩れそうな状態だ。
ルドアは仮面を右手で抑えながら言う。
ルドア「流石にこの技は効くな・・・
それに正男といったか。貴様の合成技も中々の威力だ」
ライ「ようやく会えましたね、ルドア。
貴方は自らの実力に自画自賛し、自分より穎脱した者を貶す・・・
それを目的に異次元での魔力狩りをするがために貴方は事件を起こした。
違いますか?ロベルス=ディストリア・・・」
ルドア「ほう、俺の正体を暴くとは流石だな、ラフェンダス。
いや・・・こう呼ぶべきか、ライ・・・」
ルドアは言い終えると、右手を下ろす。
それと同時に顔面についてた砕かれた仮面も床に崩れ落ちた。
これぞ皆、初めてルドアの素顔見た瞬間だった。
♪Nintendo DS「Phoenix Wright: Ace Attorney」より
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