中間ストーリー22
〜前進〜




正男「この世界での戦いは長かったなあ・・・」


レイド「結局、あの兜は使い物にならなかった」


一同「お 前 い つ か ら 居 た ん だ


ザトシ「つーか誰だよアンタ」


レイド「この僕に誰だとは失敬な
    ルドアに対抗するためのアイテムを探すために各世界を巡っている者だ」


レイドは怪訝そうな顔をして言う。
ちなみに、今この場にいるのは正男、浩二、ザトシ、クリス、ミハリア、そしてなぜかレイド・・・


正男「ところで、ライはどうしたんだ?ミハリア
   ゴッドアイん時はまだいた筈だが・・・」


ミハリア「ルドアの行き先を探ると言って本部へ戻ったわ」


正男「もう戻ったのか。よっしゃ、仕事熱心な奴だな。」


ミハリア「それじゃあ私もそろそろ本部に戻るわね」


正男「ああ」


そういうとミハリアは謎の機械をポケットから取り出し
ボタンを押すと、異次元のゲートが現れ
彼女はそれに吸い込まれるようにして入っていった。

恐らくWPS本部の次元へと移動したのだろう。


クリス「ミハリアさん、綺麗だしいい人だったなぁ
    また会えるかしら・・・」


ザトシ「またどうせ次の世界で会うだろ」


ザトシは今自分の言った一言を聞き返して何かを思い出したかのように言う。


ザトシ「ところで、次の世界へはどうやって行くんだ?」


正男「WPSから聞いてないのか。それはだな・・・」


正男は説明を始めた。




さて、ここで読者の皆様に問おう。正男(たち)は第四章以降はどのようにして別の次元へと移動しているのか。


忘れている人、理解しきれていない人が多いと予測したため
念のため、ここでもう一度説明しておこう。


現在、各世界には幾つかの別次元へと繋ぐ"穴"が存在する。
それは世界と世界を繋ぐ端"ワームホール"への入り口なのだが
正男達はWPS中央司令幹部ヨシキからの通信で
その入り口の場所を教えてもらい、ゲートがある場所へと移動している。


第五章以降そのシーンはカットされているが
正男達は意外と長い時間をかけて次の世界へと向かっていくのである。


正男「・・・というわけだ」


ザトシ「成る程、じゃあ早速次の世界へ行こうか」


浩二「ちょっと待って、あそこにいるのって機械兵の生き残りじゃない?」


ザトシ「何?」


浩二が指した先にはACPで残された機械兵が一体いた。
その機械兵はこちらに気付いたのか、突進してきた。


ザトシ「機械兵一体じゃ何もできないとはいえ、別次元へ移動する際は邪魔だな
    サンダー・ジャッジメント!!」


ザトシは雷の棒を振り、機械兵ぶっ飛ばした。


まるで野球バットでボールを打つかのように・・・


飛ばされた機械兵は横一直線に飛んでいくが
突如空中に黒っぽい膜が現れたと同時にその機械兵は消え去った・・・。


なんと言う偶然か、その機械兵は異次元のゲートへと飛ばされてしまったようだ。


4人「・・・・・・。(唖然」


正男「・・・これはただの偶然と言っていいのか;」


ザトシ「知るかw」


クリス「でもこれで無駄な時間が省けたわ
    早く次の世界へ行きましょう」


浩二「そうだね」


会話が終わるとザトシ、クリス、浩二、正男の順に異次元ゲートへと足を運ぶ。


3人が入り、最後に正男が入ろうとするとWPSの通信機がなった。
ヨシキからだ。


ピッ


ヨシキの声「もしもし正男か、今からワームホールの場所を教える
      お前等から見てすg...」


正男「もう見つけましたが何か


ヨシキ「( 三∀三)・・・はい?」


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〜WPS中央司令部 オペレーションルーム〜


ヨシキ「・・・おかしい」


モニターの前で事務イスに座りながら右手を首に当てているヨシキ。
今ここにいるのはヨシキとレニウスのみ


レニウス「おかしいって、何かあったのか?」


ヨシキ「ライとルドアが遭遇したときにふと違和感を感じた」


レニウス「違和感?」


ヨシキ「ああ、なぜルドアはライの技を覚えて使おうとしなかったんだと」


レニウス「・・・そういえば不思議だよなぁ。
     ライの技はかなり協力、覚えてしまえば楽に勝てるかもしれないというのに」


ヨシキ「二人の力を合わせて初めて発動する"合成技"も覚えられないと聞いたが
    それと何か関係があるのか・・・」


レニウス「可能性は考えられるね。
     でももしそうでないとすれば・・・

     ルドアは時空魔術は覚えられないとも考えられる


時空魔術・・・。


それは時空の力を経て発動する魔術のこと。


一般的な属性攻撃は"黒魔術"と呼ばれ、不道徳な魔術を呼ぶ際の蔑称とされているが
それに対し、回復魔法は黒魔術とは逆に、害を得る者がなく術者・願者に益をもたらすものとされそれは白魔術と呼ばれる。


では、時空魔術とは具体的に何なのか。


ライが扱っているこの魔術。いわば無属性魔法と宇属性(銀河属性)魔法のみは時空魔術と呼ばれている。
その理由は、WPSに関連する人たちがこの2属性を"時空からの捧げもの"と考えているからだ。
深意は不明だが・・・。


普段はマイペースな性格であるレニウスが吐いた言葉はヨシキをも納得させた。
彼の洞察力は高いため、説得力があるのだ。


ヨシキ「その可能性が高い」


レニウス「じゃあライと戦えば勝てるんじゃないか?」


ヨシキ「いや、ルドアは少なくとも時空を自由に移動することができるんだ
    有利になったところで、逃げられて終わりだ。」


レニウス「まぁ、ライもワームホールを出現させられるし
     同じ次元に行くことはできるけど
     その着陸場所まで指定はできないからなぁ・・・。」


ヨシキ「危険が少ない場所に着陸する、それだけだ」


レニウス「ならばどうすればいいんだ・・・」


ヨシキ「一応このことは後で皆に知らせておくが
    俺等の前進は保障できんな」


レニウス「・・・・・・。」


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〜WPS東方司令部 休憩室〜


ラルズ「任務ご苦労だったな、ヘルメス」


ヘルメス「ラ・ラルズ総監!いらしてたんですか」


中央司令部総監府から次元の移動で東方司令部までやってきたラルズ総監。
ちなみに、中央司令部と総本部は同じ基地内であり
総監府もその中に含まれているのである。


ラルズ「ちょっと様子を見たかったんでね、私が直接ここへ新たな任務を伝えに来た。」


ヘルメス「はっ!中央司令部からわざわざご苦労様です!」


ヘルメスは総監に向って敬礼をする。


ラルズ「その前にひとつ言いたいことがある。
    君は保護対象者を妹の仇と見て侮辱を払ったらしいな」


ヘルメス「少し試したんです」


ヘルメス「私が"憎い"と言った時、奴は俺を悪を退くかのように睨んでいました。
     その時彼はまっすぐで誠意の目をしていた。そこで分かったのです。
     見知らぬ人格に抗うのは悪し様に罵ってるも同然だと、あの目はそう言っていた。」


ラルズ「・・・試しとはいえ、傷つけたことに変わりは無い。
    今後は用心した方がいいぞ」


ヘルメス「は、申し訳ありません・・・」


ヘルメスは謝りながら総監に頭を下げた。


ラルズ「よろしい、では新たな任務を伝えよう。
    レギュラー4人と手を組み、世界混雑阻止に取り組んで欲しい」


ヘルメス「しかし、残りのレギュラーはどうするのですか?」


ラルズ「お姫様とぱっくちゃんの融合は確認されていない。
    それまでは今告げたことを遂行してくれ」


ヘルメス「了解しました。」


ラルズ「では、私は中央司令部に戻るとしよう」


ヘルメス「はっ、検討を祈ります・・・。」


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謎の声「WPS相手に随分と手こずっているようじゃないか。ルドア」


ルドア「・・・」


どこかの次元で二人、ルドアとエリスは地の上に立ち
そのうちルドアはトランシーバを持ちながら話していた。


謎の声「多くの次元を巡り、魔力を刈ってはWPSに邪魔をされ
    今度はレギュラーにも苦戦した。お前にしてはつまらない結果だな。」


ルドア「世界を融合させ、多くの次元で魔力を刈る所までは計画通りだったが
    不覚にも邪魔者が増えてきている。」


謎の声「私が世界を融合させる際、レギュラーまでもが融合するのは計画外だったからな
    そこらへんは大目に見るとしよう。」


謎の声「だがルドア。
    我々の目的はあくまでライを倒すこと。
    時空魔術を覚えられないのは苦しいが、"約束の地"に着く前にできるだけの魔力狩りをしておけ」


ルドア「多くの技を覚えたところで、勝てる可能性が増えるわけでもないがな。
    少なくとも一流の魔術の知識を持つライの知らない技を覚えない限り
    ライの有利は動かないのかも知れんぞ、リカルド


リカルド「ルドア・・・、お前は奴に魔血の一部を奪われたのだろう
     ならば奪い返すまでだ」


ルドア「尤もだ。間接的に血を奪う魔術を探すことにしよう・・・」


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〜WPS中央司令部 総監府〜


ジオン「お疲れ様です。ラルズ総監」


席を立ち、東方司令部から戻ってきたラルズに敬礼をするジオン。


ラルズ「ああ」


ジオン「ところで、先程2つの世界の管理人から中途執筆辞意の書類が来てたので
    サインしておきましたよ」


ラルズ「・・・普段サボリ魔なお前がサイン?
    お前にしてはまともな仕事をしたもんだな
    何かあったのか?」


ジオン「久しぶりに楽しめそうな気がするんですよw
    華麗な世界を見届けるのが・・・」


ラルズ「保護協会員の台詞とは思えんな」


ジオン「そうでしょうかね」


ジオンは荒々しい口調で言った。


ラルズ「ジオン、お前には保護協会委員、増してやその2番目に上だという自覚が足りん。
    今の私に対する侮辱とも思える発言は、今回は聞かなかったことにしておこう・・・」


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全てを元通りにするため、彼等はただ前進する。
ルドアが現れてから、彼の正体を暴くまでは・・・。

しかし、その先には大きな壁があり
その壁は彼等を膠着の状況へと導く。

そんな中、彼等はいかなる方法で打開の道を切り開くのであろうか。

今、ルドアの正体を暴くための第二部が幕を閉じ
北方の使者を中心とする第三部が幕を開ける・・・。



 

Masao World Adventure 第二部
THE END




 

 


♪The Not Decision Syndrome
from G2-MIDI

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