中間ストーリー13
〜死神〜
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〜正男たちがスフィアと戦い始めた少し後〜

WPS本部にて

ヨシキ「何だ・・・?」

ライ「どうしました?」

ヨシキ「不振な人物の反応が増えたぞ?しかもこの反応・・・
     それにディレイルがソルジャーたちと違うところに・・・」

ライ「新しく現れた生命反応から一番近いところにいるのは正男達ですね」

ちなみにハルたちは正男たちとは全く逆方向から大滝山内部へと入り込み、奥へと向かっている。

ヨシキ「とりあえずハルに連絡をいれて見よう」

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ハル「もしもし?」

ヨシキ「ハルか、気をつけろ、奥から大物の反応が見える。」

ハル「わしもそう思ってた、妙な胸騒ぎがする。」

ヨシキ「ところで、ディレイルはなんでまだ中に入ってないんだ?」

ハル「何か急用ができたとか言ってどっか行ったんだ。ソルジャーによると昔WPSにいたメンバーらしいが」

ヨシキ「昔WPSにいたメンバー?まさか・・・」

ライ「なんとなく、不吉な予感がします。」

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スフィア「やるなお前、さすがは正男だな
     だがこれは命令、お前たちを捕らえないとまずいことになる。」

正男「なんでだよ」

スフィア「逆に聞くが、お前たちは何でここに来た?」

正男「お前らこそ、命令なんて嘘じゃないのか?本当はここにある宝を奪いに・・・」

???「フッハハハハハハッハwwww」

浩二「誰だお前は!何がおかしい!!!」

スフィア「ルドア!

正男「ルドア・・・?」

そこに現れたのは両手に長剣を持ち、髑髏の仮面を被った男だった。

ルドア「ご苦労だったスフィア。もう下がれ」

スフィア「ああ」

スフィアは逃げるように大滝山の出口へと向かっていった。

正男「何者だよお前」

ルドア「初めまして、私はルドア、死神ルドアだ!」

正男「まさか全世界を融合させたのって・・・」

ルドア「そう、世界を混ぜたのは私だ!

正男たち5人「何だって・・・?」

正男「こいつ・・・生かしておくわけにはいかない。フレイム・スラッシュ!

???「神風乃舞!!!

そこに現れたのはハルだった。彼女は刀を振り回し、髑髏の仮面を被った男を襲撃する。しかし・・・





ルドア「・・・・・・覚えたw

正男「?」


ルドア「これを食らいなw
     フレイム・スラッシュ!神風乃舞!

ルドアは正男と全く同じ炎を発射し
その後に剣を振り回しソルジャーたちを襲った!

WPSソルジャー達「うわああああああああああ!!」

ルドアの攻撃を食らってしまい、殆どのソルジャーが倒れてしまった。
今立ち上がっているWPSソルジャーはたったの十数名だった。

ルドア「どうだ?自分の技で兵士が死んだ気分はw」

ハル「馬鹿な!わしの技を覚えただと!?
    おい、ソルジャー!しっかりしろ!!(倒れたソルジャーを揺さぶる」

正男「な・なぜあいつが俺の技やあいつの技を使ってるんだ?」

ヨシキの声「た・大変だ!」

ちなみにヨシキの声が聞こえるのは正男、浩二、ハル、WPSソルジャーだけである。

正男&ハル「ん、どうした!」

ヨシキの声「こいつの能力を分析して見たんだが・・・
        こいつ、相手の出した技を覚える能力を持っている!

正男「なんだって!?

ヨシキの声「しかもこいつ、体力も魔力も半端ないぞ・・・
        逃げろ!お前たちが戦って勝てる相手じゃない!!!!!

その時、正男の脳裏にレイドの言葉が響いた。

『この中に入っても決して後悔するなよ』

正男(もしかして、さっきのレイドとかいう奴はこれを予測して俺たちを大滝山に入れないようにしてたというのか?
    だとしたら迂闊だった・・・。早く・・・何とかしなければ・・・!!)

正男「例外はないのか?覚えられない技とか」

ヨシキの声「1つだけある、魔法、剣術、格闘などの技ではなく
        化学兵器などの道具を必要とするアイテム攻撃は覚えられないはずだが・・・」

正男「化学兵器なんて何も持ってないぞ・・・?」

ヨシキの声「ああ、出動したWPSメンバーに化学兵器で戦う奴がいるのだが
        あいにくそいつはまだ大滝山の中にはいない」

正男「・・・」

〜WPS本部〜

ヨシキ「くそっ!ディレイルの奴は何をしているんだ、あの馬鹿野郎・・・!!

ミハリア「とにかく急いで!ディレイルに連絡を入れてみたら?」

プルルルル

ディレイル「何だ?」

ヨシキ「ディレイル!何をしている!!!
     早くしないと正男達もハル達も殺されてしまうぞ!

ディレイル「何だと!?わかった、急いでハルたちんとこに向かう!」

ピッ

ヨシキ「あの馬鹿、今更向かってやがる」

〜一方、正男たちは〜

正男「おまえは何で世界を混ぜたんだ?」

ルドア「本来は魂を刈ることが死神の役目・・・
     だが私は全ての世界の魔法を刈るため、世界を混ぜた」

正男「それをするために世界を混ぜたというのか?なぜわざわざ混ぜる必要がある?」

ルドア「私も楽をしたいのでなw
     全ての世界がひとつになってしまえば全世界の魔法を覚えられる」

正男「もうひとつ質問がある、ここにいるのは宝が目当てなのか?」

ルドア「宝?フッw 馬鹿だなお前らw」

正男「なに?」

ルドア「こんなところに宝なんかねーよw
     お前らが見つけたのは魔法を使うトレジャーハンターをおびき寄せるための自作地図・・・
     つまり私の罠にかかったってことだw」

正男「ってことは鉄男が見つけた地図を作ったのは・・・」

ルドア「地図を落としたのはスフィアだが、作ったのは私だ
     この世界の者は"宝"という単語を聞くとすぐに動き出すからなw
     それを利用してお前達をおびき寄せたってわけだww

正男「汚い手を使いやがる・・・
    この世界のトレジャーハンターの中にはな、憂鬱な事情を抱えて宝を探す奴だっているんだ!
    例えば借金だとか、家族が病気だとか・・・そんな可哀想な奴だって腐るほどいる。
    それをまるで弄ぶかのように・・・許せない、ルドア!

ディレイル「待たせたな、ウランボム!

ディレイルの投げたウランボムというバクダンは見事直撃、そして・・・

ドカアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアン!

ルドア「くっ!」

ディレイルの投げた爆弾はかなり強力なもので、世界で一番攻撃力の高い爆弾と言われている。
こればかりは兵器を使用するものなのでルドアも覚えられないだろう。

ディレイル「よし!ひとまず全員退却だ!」

そして正男たちとWPSは全員外に向かった。



ルドア「フン、逃げたか。まあ逆にこっちにとっては都合の良いことだなw」

〜外〜

正男「ふぅ、危なかったな。」

ディレイル「みんな、遅れてすまなかった・・・」

ハル「・・・とにかく、いったん本部に戻るぞ」

WPSの人たちはそのまま無言で去っていった。

その姿は、ソルジャーを無駄死にしたことを悔やんでいるようにも見えた。



今回現れた"死神ルドア"

全世界を混ぜた本人が彼だということがついに判明した。

この先正男たち、WPSはどう行動を取るのか、そしてルドアはどうして魔法を覚えようとするのか。

その謎が解けるのは、かなり後になるであろう。


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♪No future
from nerve (雑音空間)

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