中間ストーリー13
〜死神〜
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あれから数分が経ち、正男と浩二は鉄男たちと別れ、次の世界へ向かうことにした。

浩二「それじゃ、行ってくるよ」

鉄男「兄さん!」

勇二「行っちゃうの?」

正男「ああ、さっきの奴が他の世界で暴れだしたら大変なことになるからな。」

勇二「僕たちもついていくよ!」

正男「いや、ダメだ!」

鉄男「何でだよ」

正男「お前たちも見ただろう?あの死神とか名乗ってる奴を。
    この先は危険な旅になる、この世界での戦いとは全然違うレベルになりそうだからな。
    そんな危険な場所にお前たちを巻き込みたくはない。」

黒男「でも、正男兄さんと浩二兄さんが・・・」

浩二「僕たちは大丈夫、他の世界で与えられた力があるから。」

鉄男「・・・」

正男「鉄男、勇二、黒男。
    俺たちが戻ってくるまで、この世界は任せたぞ

言葉を発した後、正男と浩二は兄弟三人を後にした。
それから数秒経ったとき、離れた兄弟三人は正男たちに向かって叫んだ。

「兄さん!絶対帰って来いよ!」

正男たちにはそう聞こえた、兄弟たちのためにも負けられない。
この言葉が正男たちを決心させたのである。

全ての世界を元に戻し
そして1つになった自分の肉体も何もかも元に戻すと。


そして正男たちは世界と世界を繋ぐ橋"ワームホール"を通り、次の世界へと出発した。

〜WPS本部〜

ヨシキ「ディレイル、どうして任務中ハル達とわかれた?」

ディレイル「いたんだよ。昔ここにいた男、レイドが。」

ヨシキ「やはりレイドのことか。さっきあいつから連絡が入ったんだよ。
     何も言わずに切ったけどなw それより、レイドと何を話していたんだ?」

ディレイル「それはだな・・・」

〜正男達が大滝山の中に入った頃〜

レイド「あいつら、何も知らないで・・・」

???「こんなところで何をしている、レイド」

レイド「久しぶりだな・・・ディレイル」

ディレイル「おまえ、あの時急にいなくなったから心配したんだぞ?」

レイド「心配・・・?そんなことしてくれなくていい、僕はもうWPSを辞めたんだからね。

ディレイル「・・・どういうことだよ、それ」

レイド「僕は、あの時任務を失敗した。」

それはレイドがWPSに入隊して約半年後のことだった。

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世界が混ざり合う少し前
昇進するためでもあり、生活費のためにも一生懸命に働いていたレイドにヨシキから新たな使命が与えられた。

ヨシキ「レイド、おまえの世界に別世界から来たと思われる未確認生命反応が確認された。
     ぜひ、おまえに使命を与えたい。」

レイド「承知した。今すぐに出動する」

ヨシキ「ちょっと待て、おまえ一人じゃ大変だろう。お前のパートナーを紹介する」

そのとき、一人の男が割り込んできた。

???「よっ、俺がおまえのパートナーであるレニウムだ。今回はお前とともに任務を遂行する。」

ヨシキ「彼は重力を操る能力を持っている。お前の磁界と彼の重力の力を合わせれば
     強力な技を発動できる、これで怖いものなんてない筈だ。」

レニウム「まっ、そゆこと。二人で力を合わせてがんばろうな!」

レイド「ああ」

ちなみにこのレニウムというコードネームを持つ青年は、ライと同じ世界にいた者であり
また、その世界には平和を守るという組織があるらしく、彼の姉がそこに所属している。

レイドの世界へと到着した二人は、レーダーを確認し、未確認生命のところへと向かう。

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ディレイル「まさか、その出来事って・・・」

レイド「・・・その後、現れたんだ。死神ルドアが。
     俺たち二人で協力し合って奴と戦った。だが・・・」

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レニウム「レイド!こうなれば魂の共鳴して二人の技を合成させよう!」

レイド「だが、俺たちはまだ出会ったばかりだから、お互いを良く知らない。」

レニウム「大丈夫だ!俺たちの絆があれば!!」

レイド「・・・」

しかし、その時ルドアは妙な笑いを二人に見せた。


レニウム「いくぞ」

レイド「ああ」

レイド&レニウム「ファイナルマグネティックグラビトン!

二人の心がひとつに・・・もとい、二人の魂が共鳴し、新たなる技が生まれた。

それは磁界と重力がひとつになった球を発射し、それを相手に当てて
相手の動きを止めるという技であった。
ルドアは見事その技にかかり、やがて身動きが取れない状態に陥った。

レイド「すごい・・・二人で力を合わせたらこんなに凄い技が出せるのか・・・」

レニウム「ちなみにだな、この重力と磁界に縛られた状態から逃れることができるのは神だけだ!」

ルドア「てことは、死神の俺にはこの状態から脱出できるってことだなw

レニウム「死神・・・?」

レニウムが疑問を抱いた次の瞬間、なんとルドアは立ち上がった!!

レニウム「馬鹿な!?あの状態から逃れただと?

ルドア「本当なら、ついでにその技を覚えたかったのだが
     共鳴技は覚えられないからな、変わりに以前覚えた技でも使うか」

レイド「技を覚える?」

ルドア「これを喰らうがいい、ダークネスイリュージョン!

ルドアの手からはレイドに目掛けて闇の波動が打ち放たれる。
暗黒魔法は磁界でも重力でもどうしようもないので二人は手出しができなかった。
しかし、レニウムにはひとつだけできることがあった。それは・・・

レイドを守ること


突然、レニウムはレイドの前に出てきた。

レイド「レニウム、何を・・・?」

レニウム「先輩が後輩を守るのは、当然のことだ・・・」

そのままレニウムはレイドの盾となり
ルドアの技を直撃した。そしてあっけなくレニウムはその場に倒れた。

レイド「レニウム・・・?おい!しっかりしろ!!!」

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レイド「その後、君は僕たちを助けに来てくれたね。」

ディレイル「ああ、そしたらあのルドアとか言う奴は逃げていったっけ。
        それからはおまえがレニウムを担いで本部に戻ったよな。」

レイド「そのことに関しては感謝している。でも・・・自信がないんだ。」

ディレイル「自信?」

レイド「レニウムは死ななかったからよかったものの、彼は重症に陥った。
     結局はレニウムに頼ってばかりで僕はレニウムを守ることができなかった・・・!!だから......」

レイドが続きを喋ろうとした時
ディレイルはレイドの顔面に殴りかかった!


ディレイル「お前なあ・・・いつまでも過去の出来事に希望を奪われてんじゃねえ!!

レイド「お前なんかに何がわかる!!

ディレイル「突然こんなことを話し出すのもなんだが、昔俺が住んでた世界には、魔法が存在しなかった
        そん時俺はマフィアの一員で、悪いことばかりしてたっけな。」

レイド「何が言いたい」

ディレイル「あれから数年たって、俺はWPSに宣伝されて、面白そうだったからこの組織に入った。
        だが入りたての頃は、周りの奴が魔法を使う者ばっかだったから足を引っ張ってばかりだった。
        その時から俺はどんなに魔法使いが羨ましかった事か・・・

レイド「・・・キミが何を言おうと、僕はもうWPSを辞めたんだ。もう僕には関係ない。」

ディレイル「・・・」

〜そして現在〜

ヨシキ「なるほど・・・それでハル達とわかれたってわけか」

ディレイル「本当にすまなかった」

ヨシキ「いや、もういい。それより、今回平安京の世界に現れたルドアの件なんだが・・・」

ハル「問題は、"どうやって世界を混ぜたか"だと思うのじゃが」

ディレイル「そうだな、まずはそいつをとっ捕まえて、混ぜた方法を吐かせるのがいいと思うぜ」

ミハリア「しかし彼はライと同じ、相手の技を覚える能力を持っている・・・。
       そう簡単に捕まえられる相手ではないと思いますわ」

ハル「ライも技を覚えられるのか?」

ヨシキ「ああ、何属性であろうと・・・な。」

ライ「・・・」

ミハリア「普段は感心するほど大口を叩くライが珍しく静かですわね
      流石のライもルドアに恐れているのかしら?それとも・・・
      ライ、何か知っているの?

ライ「これはあくまで私の予測ですが、恐らく彼は私たちの世界の人間でしょう」

ミハリア「わたくし達の・・・世界?」

ヨシキ「ああ、そういえばライとミハリアは同じ世界出身だったな。」

ミハリア「・・・・・・」

ライ「とりあえず、今正男達が向かっている世界を見に行って見ましょうか。」



〜次の世界〜

???「ワガハイは、今度こそ建設してやるのだ!」



今、正男たちの向かっている世界は長編の世界とは離れる。

しかし、死神ルドアは世界を自由に行き来できるので油断は禁物。

次の世界ではどのような使命が待ち受けているのだろうか。

昔、完結したはずの物語が今、再び幕を開けようとしている・・・。



♪freedom
第2回 HAKさんの作品より
from デジファミ音楽堂

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