中間ストーリー33
〜凍える北国〜
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〜貨物列車・荷台〜


貨物列車の荷台には殆ど荷物が乗っていなく、動きやすい環境だった。
そんな場所で五十朗はジェネルと戦い、一方ジェネルは飛び回りながら五十朗に飛び道具の狙いを確りと定める。

そこに鈍い金属音が鳴り響いた。


ジェネル:ウィム・スティール・ゼイルド!


五十朗は、ジェネルの攻撃を避けようとするが
ここは走る列車の上。風の抵抗もあり、体力がかなり消費される。

ジェネルの攻撃を避けきれず、五十朗の足に当たってしまい、その場に転げた。


由美:五十朗!!


風の抵抗もあるため、立ち上がるのも困難だ。

いかん…このままでは、やられてしまう…!

しかし、その時ジェネルは意外な言葉を口にしたのだった。


ジェネル:さあ立て、勝負はまだ着いてないぜ。


…なんだと?
今、明らかにトドメを刺すチャンスだったよな。


横になった体勢の五十朗はジェネルに疑問を抱きながらも立ち上がる。


五十朗:後悔するなよ。


ジェネル:俺が一旦命を預けた。次はねえ。
      思う存分掛かってくる事だな。


五十朗:なら望み通りにしてやる。スパークソード!!


ジェネルが車体の近くまで高度を下げたので五十朗は相手に近距離まで近づき
高威力な電撃を放ちながら剣を振り下ろした。


しかし、ジェネルはそれを容易く避けた。


五十朗:スパークバースト!!


五十朗が剣を大振りにすると、大きな雷が落ちた。
車体から離れた所を飛んでいるジェネルのもとに…
だが、ジェネルはそれも潔く避ける。


飛速で容易く俺の攻撃を避けられる…

本来ならば加速している列車の上空を飛びながら戦うとなるとターゲットを命中させるのは困難なこと。
しかし、ジェネルのような実力と飛行力があれば、所詮は只の人間である俺の隙を突くことなど容易い筈だ。
それなのに奴は、俺が倒れたとしてもトドメを刺そうとしない…
一体何故だ…






とにかく、これではっきりした…






相手は、明らかに手加減している!





五十朗:お前…一体何のつもりだ!!


五十朗は息切れしながらもジェネルに問いかけた。


ジェネル:今更何を言ってるんだ、俺は任務の邪魔者を排除している。ただそれだけだ。


五十朗:そうじゃない…!どうして敵である俺を目の前にしてわざと攻撃を外すんだ!?


ジェネル:……


五十朗は歯を食いしばる。
一方、問われたジェネルはそのままの表情でいたが、数秒間黙り込んだ。


五十朗:世界で注目されているWRACの幹部ともあろう人間が
     この程度なわけがあるか…!なぜ手加減する必要がある!!


ジェネル:…手加減も何も、これが俺の全力だが?


五十朗:では何故、邪魔者である俺にさっさとトドメを刺さなかったんだ!


ジェネル:知りたいか?だったらこの列車の到着先を捜査してみることだ。


五十朗:何だと?


その刹那、辺りに白くて冷たい結晶体がふんわりと舞い降りた。

雪だ。この列車は北国へと向かっているので至極当然のことなのだろうが。


ジェネル:おっと、そろそろ到着する時間だ。
      後はあいつらに任せるとしよう…じゃあな!


ジェネルはそう言って列車より速いスピードで北へ飛び去った。


五十朗:何だったんだ…あいつ。


由美:敵やったら普通は手加減はせえへんし…


五十朗:まあ、考えてても仕方がない。それより最後にあいつが言ってたこと…何か意味が有り気だったな。


由美:この列車の到着先…とりあえず、行ってみよっか。


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♪Investigation: Cornered
Nintendo DS「Phoenix Wright: Ace Attorney」より
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