中間ストーリー35
〜燃える瓦礫〜 (3/3)
エル・ルガー…そう呼ばれる街の港を少々超えた所に、1つの教会があった。
教会と呼ぶには少々小さすぎるが、とても神秘的で英雄が身震いをする程である。
そんな教会に、本来いるべきでなく行くべきでもない、泥棒とも言われる者が入り込んだ…。
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〜教会内部〜
教会の中にある祭壇と対照的に並べられたイス。
その中央列には普通の教会と同じでイスは並べられておらず、その歩道で二人の男が話していた。
60を過ぎたくらいの老人と、数々の世界でのお宝を盗もうと目論む茶髪の魔術師レイドだった。
老人:…珍しいですね、こんな小さな教会に私の知らない顔が来るなんて。
冷たく光った老人の瞳…、彼は不思議そうな顔をしていたが
普通の人々が見ると"不気味"としか思えぬ眼をしていた。
レイド:そうかい?ここには、お宝の匂いがプンプンするんだけど。
老人:お宝…?この小さな教会には大したものはありませんよw
レイド:…知らないとは言わせないよ?ファーラーさん。
お宝は、必ず形があるとは限らない…、ここには大いなる力が隠されているってね。
ファーラー(老人):大いなる力ですと?一体貴方は何を…。
ファーラーは驚いていた。
だがこのレイドという男は見た目からあからさまに魔術師の格好をしているし、彼から魔力も感じられる。
ファーラー:…いや、隠す必要はなさそうですね。
初対面なのに何かしら貴方からは魔力が感じられる…、という事は貴方はもしやベイルなのでは…?
レイド:違うね。確かに僕には魔力が宿っている。
でもベイルではない。元々魔力の宿った血が流れていて、生まれつき魔力は使える。
まあ、キミたちから言えば"ベイルとは異なった存在"…、ってとこかな?
ファーラー:ベイルじゃないのに魔力を持つ…、聞いたことありませんね。
しかし、そんな貴方がどうしてここに…?
レイド:ベイルになる方法がここにあるって聞いてね…。
もしここでベイルになれればもう1つの力が目覚めるんじゃないかと思ってここに来たのさ。
ファーラー:(元から魔力を持つ人間がベイルになる…、これは面白そうなことになりましたね…w)
ファーラーは不気味な笑みを浮かべた。
ファーラー:…分かりました。案内しましょう。
ファーラーは教会の奥へと向かって歩き出したその瞬間、立ち止まった。
レイド:…お客様か?
ファーラー:そのようですね…、外にもう一人、人間が来ているみたいです。
どうやら二人とも気配で分かったようだ。
教会の外にもう1人、訪問者がいることに。
♪黒の追跡者
from ばろんの館