中間ストーリー36
〜おたから〜 (3/4)
その頃、正男達は…
〜ライトテフォール〜
ライトテフォールの休憩室で澳門はぼんやりと考え込んでいた・・・。
──ZECTはなぜ、WRACの本拠地を爆破させる必要があったのか。
考えてみればZECTがあのWRACの本拠地を爆破させたのは容易ではないことだ。
恐らく、以前から長い時間をかけて計画されたものだろう。
両者とも結果的にこの世界を滅ぼそうとする組織であることに変わりはないが
少なくともWRACなら使えない『仲間』は平気で見殺しにする組織であることは言うまでもない。
…例えばもし、戦闘能力や地位の低い『仲間』がたまたま新しい『情報』を手に入れてきたとすれば…
恐らく上の人間がその仲間から情報を得た時点でその仲間は用済みとなる。
つまり、場合によっては口止めの意味合いを込めてその仲間を殺す。
ではもし仮にそのZECTがWRACから何か情報を得たとすれば…
ZECTがWRACの本拠地を爆破させた目的は証拠隠滅。
となると、ZECTはよほどその情報を極秘に扱っている、ということになるが…。
そういえばZECTのバルキスは最初俺に会ったときこう言っていた…。
『ベイルになるにはどうすればいい』と…。
あの男は魔力を使えるにも関わらずベイルになる方法を探している。
しかもバルキスのあの技を見たときに、もしかすれば俺らと関係あるのではないかと考える。
『ジェムオウ・ディガント・ストーム』
『牙王神風弾』
もしかして、あの男は元々WRACの人間だったが裏切り、ZECTに入ったとか・・・?
だとすれば爆破する前日とかに前もってWRAC本拠地にこっそり爆弾を仕掛けるのは難しくはないだろう。
──そうだ、そう考えると全て辻褄が合う。
もしも自分のその考えが当たっているとすれば・・・
WRACのアジトをZECTから聞き出せるかもしれない!!
澳門は走り出した─
モニター室目掛けて・・・
〜〜
そして一方、モニター室。
源剛、正男、ザトシ、クリス、ξの5人はそこにいた。
源剛:結局、大した情報は得られなかったな。
正男:ええ、WRACに隠れ家がある可能性があることしか分からず終わってしまいましたからね…
クリス:仮に隠れ家があったとして、その場所も分かっていないものね。
源剛:うぬぬ…、どうすればいいものか…
ザトシ:まあ、ずっと考え込んでても仕方ありませんし、たまには気分転換でもしませんか?
源剛:いきなり何を言い出すんだよ・・・。
ザトシ:だってほら・・・適度に違うことをすると閃くことってあるじゃないですか
クリス:それは確かにそうだけど・・・
正男:というか、気分転換って何をするんだ?
ザトシ:モノマネとか?
源剛:なぜ疑問系なんだ・・・。
正男:・・・まあ、ずっと考え込むよりはいいかもしれんなw
源剛:仕方ない・・・ちょっとだけだぞ・・・。
ξ:AM○MIYAのモノマネとかw
正男:おいw
ξ:冷やし中華ァ、はーじーめましたァ〜♪
ザトシ:・・・源剛さんが誰かのモノマネしてるとこ、たまには見て見たいものだなw
源剛:な・・・俺は結構だ。お前らでやるといい
ザトシ:えー、折角だからみんなで気分を転換させないと意味ないでしょうが
AM○MIYAのモノマネでいいですよ、源剛さん。
ξ:えばるなよw
源剛:・・・まあいい、1回だけな。
ザトシ:ワーイワーイ
〜その頃の澳門〜
廊下を歩いていた。
もうすぐ源剛たちのいるモニター室に着く。
澳門がZECTとWRACの繋がりのことを考えながら歩いていると
あっというまにモニター室の扉へとたどり着く。
澳門はその扉を開けた・・・。
〜モニター室〜
澳門:失礼しまー…
源剛:冷やし中華ァ、はーじーめましたァ〜♪
澳門:( д)
源剛:(゚Д゚; )
澳門:・・・何やってるんすか。
〜〜
澳門:そうだよ重要なことが分かったんだよ!
俺があのバルキスという男に会った時に何か言っていたな。
ベイルになるにはどうすればいいとか脅して聞いてきてたんだが…
源剛:くそ・・・俺の上司としての立場が・・・
ザトシ:(とか言ってる割にノリノリだったけどなw)
正男:ベイルな。それがどうかしたのか?
澳門:その方法、ちょっと教えてくれないか…?
正男:ああ、別に構わないけど…
正男はベイルになる方法を教えた。
とある教会に置いてある杯に触れることで自らの精神世界へと転送され
そこにいるもう一人の自分と戦い、勝つことでベイルになれることを。
そして負ければ死に至ることも…。
澳門:なるほど…そんでもって、ZECTは今、ベイルになる方法を探している…。
ザトシ:ということは…
源剛:その教会に行く可能性があるということだな?
場所は分かるか?今からモニターで調べてみるが。
正男:ええ。
〜〜
源剛:どうやら今教会を出た所のようだな。
正男:向かっている先は…ZECTの本拠地か。
ザトシ:よしじゃあ本拠地行くか
正男:軽々しく言うなww
本拠地となると敵も多いし一番偉い奴もいるからバルキスから話を聞く余裕なんてないと思うぞw
クリス:じゃあどうすれば…
源剛:浩二の居場所は分かったことだし、まずは浩二達のいる北国に行って合流するか?
正男:そしたら、俺とザトシとクリスと澳門で北国に行ってきます。
源剛:その方がよさそうだな。よし、行って来い!!
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その頃、北国では…
雪降る夜空での戦いが終わったというもの
まだWRACからの安全が保障されたわけじゃないため、住人のほとんどは施設に避難したままだった。
〜避難施設〜
体育館のような広さである大きな部屋は町中の人で埋め尽くされていた。
辺りはガヤガヤと大騒ぎしている。WRACがここを嗅ぎ付けたらどうなるのか、そんな恐怖感で溢れている…。
…と、思いきや、子供たちは緊張感がまるで無いようにブルーシートを敷いてその上でカードゲームで遊んだり
あるいは鬼ごっこをしていたり、殺戮組織からの危機感があるような雰囲気ではなかった。
一方、大人は他愛のない会話をしたりお酒を飲みかわしていたりの人も少なくはない。
中年オヤジ達は缶ビールや檀れいのCMで話題の金麦を飲みかわしながら騒いでいる風景が目立っている。
・・・なんという緊張感のなさ。これが光る球の世界の住民なのか・・・。
いや、ここはIKYSの世界の部分なのだが。たぶん。
浩二たちが中に進むと他愛のない住民たちの会話が聞こえてくる。
ヒロ:おばあちゃんが言っていた…、世界は自分を中心に回っている…。そう思うと、楽しいってな。
ダイゴ:そうか・・・、なら俺らも一緒にヴァンがろーぜ!ウィッシュ!!
ダイゴ2:これが、、、、、メンタリズム!!
これが浩二たちに聞こえてきた会話の一部である。
浩二:↑なんだこれwww
五十朗:正男達が来るまでずっとここで待ってるか?
浩二:いや、とりあえずジャックと二人で街の近くを探してみようと思うんだ。
もし隠れ家を見つければ兄さんたちが来たときにスムーズにWRACの所に行けるかもしれない。
ジャック:そうだね、一応俺たち破壊阻止軍がここの安全を守るように言われてるけど
今はキミ達がいるから少しの間ここを保護していて欲しいんだ。
五十朗がジェネルから教えて貰った情報から推測するとこの村の付近に恐らくWRACの地下基地があるとのこと。
それを浩二たちに伝えると浩二とジャックも納得していたのだ。
由美:分かったけん。
五十朗:ちょっと待て。
浩二:どうしたの?
五十朗:探索はいいが、最近この北国を妙な山賊がうろついているらしい。
ジャック:山賊?
五十朗:その山賊は何もしなければ普通の山賊と変わらないんだが
下手に手を出そうとすれば確実に命を落とすとされる。現にここの村人で命を落した人もいるんだ。
浩二:マジで・・・
五十朗:ああ、だからもし探索するのならくれぐれも注意するんだ。
浩二とジャックはここを離れ、町はずれにWRACの隠れ家がないか捜索することとなった。
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