中間ストーリー37
〜思い出す記憶〜
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──くそ・・・ZECTを抜けたはいいが、これからどうすればいいんだ・・・?




レックス達に銃を向け、ZECTを裏切ったバルキスであったが、肝心のWRACの本拠地が分からないままだ。
自分には過去に何があったのか、それを知る術(すべ)はWRACのボスであるヴァックから聞き出すしか方法がない。
だが本拠地が分からないどころか、乗り物も何もないのでどうやって行ったらいいものか・・・。




そんな時だった・・・。




???「どうやら、お困りのようだな・・・ZECTの新入りとやら。」


バルキス「何奴?」


背後から声が聞こえたので、バルキスは後ろを振り向くと、そこには戦闘機の前に立つ緑髪で額にゴーグルを付けた男、ディレイルが立っていた。



ディレイル「俺はディレイル。アンタを助けに来た。」


バルキス「助け?」


ディレイル「この戦闘機で、アンタの行きたいとこに連れてってやんよ。
         俺たちはもう、WRACのアジトの場所が分かっている。」


バルキス「本当か?」


ディレイル「だから乗りな!もし俺を信用できないなら、今ここで俺に銃を向けたって構わねえ。」


ディレイルはそういうと両腕を広げた。
自分は一切手を出さないという志なのであろう。


バルキス「分かった。信用しよう、ただし俺が敵と判断したらすぐに撃つからな。」


ディレイル「ああ」



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その頃、北国では…



雪降る夜空での戦いが終わってから時間はだいぶ経っていたが、WRACの撤退は確認し
街の中に殺戮する人間もいなくなったようで、街人は既に避難施設から解放されていた。


〜避難施設前〜


相変わらず夜空から雪がゆっくりと蛍のように舞っていた。
吹雪とかは特になく、緩やかだった。

先ほどとは打って変わって周りの街人はいつもと変わらないように街中を歩いていた。



そんな中、五十朗と由美は浩二とジャックのことを心配していた。
施設を出た後で、再びパトロールを始める二人。




と、その時だった…


街民:おい、何かこっちにヘリが飛んでくるぞ!


五十朗&由美:?


ふとプロペラのような音が聞こえてきた。
街の人は一斉に空を見上げているようだったので、二人もつられて見上げてみた。
するとヘリコプターらしき物体が空を飛んでいた。


そのヘリコプターは街外れの所へと着陸するらしく、高度が下がった。
ここからはよく見えないが、やがてプロペラの音は聞こえなくなった。多分、着陸したのだろう。
全く、ヘリポートなどないこの街にヘリを着陸させるなんて迷惑なことだ。



五十朗:あれは・・・


由美:またアヤシイヘリが!急いで見に行ってみるけん!



〜〜



そして町の入口のところにそのヘリに乗っていた人物と対面した・・・。


正男「五十朗たちじゃないか。」


ヘリに乗っていたのは正男、ザトシ、クリス、澳門の4人だった。


五十朗「お前ら・・・どうしてここに?」


正男「WRACとZECTが、どのように繋がっているか・・・それを確かめるためにな。」


ザトシ「WRACの隠れ家だってまだ発見できてないしな、それより浩二たちは?」


由美「今ちょうどその隠れ家を探しに言ってるけん」


五十朗「でも正男達が来てくれたのは丁度良かったな」


正男「どうしたんだ?」


五十朗「実は、町はずれの湖付近にWRACのアジトがあるらしくて、そこを捜査してるとこだ。
      だがそこには妙な山賊がいるらしいんだ。できれば俺も同行したかったが、街の警備もあるからな・・・離れるわけにはいかなかった」


澳門「妙な山賊?」


正男「何にしろ、早めに浩二に合流した方がよさそうだな。その山賊ってのがもはや嫌な予感がする・・・」


クリス「ええ、”あの山賊”じゃなければいいんだけど・・・」




しかし、彼らの嫌な予感というのは当たっていた。





正男「しゃあない、みんなヘリに乗るぞ!それで浩二たちを探すんだ!」






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Nintendo DS『Ace Attorney Investigations: Miles Edgeworth』より
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