中間ストーリー41
〜皇女の帰還〜
 (2/2)


『おかえりなさいませ!!ミハリア皇女様!!』


城の入口の門にて大勢の敬礼する兵士に迎えられたミハリア。


ここは大陸の東部にあるキライン帝国
魔術に特化している国で、ミハリアの故郷である。
彼女の父はキライン帝国の皇帝でこの国を治めている。

この国の国民や王族たちはWPSの存在を知っており、ミハリアがそこに勤めているのも知っている。
本来、皇女というのは国にいないといけないのだが、現在の皇帝が生きている限りミハリアの行動は特に制限されないらしい。


〜皇帝の間〜


ミハリア「ただいま、お父様。」


当たり前のように一言。


キライン皇帝「お帰り。立派になったなミハリア。」


ミハリア「もう、大げさよ・・・年に何回かくらいは会ってるじゃない」


ミハリアは少し呆れながらもクスっと微笑んで返した。


キライン皇帝「いやまあそうなんだけどな。昔のお前がトンチンカンなことばかり言っていた頃から考えると
          今のお前なんて想像もできなくてなw こうして会うたびについつい見違えてしまう。」


今は立派な女性として成長しているが10代後半ごろまでは皇帝の言うとおり天然だったという。


ミハリア「やめてよ、昔のことなんていいじゃない」


ちょっぴり恥ずかしい過去を思い出さされ、ミハリアは少し照れるがその恥ずかしささえも今ではどこか安心できる部分があった。
そして何よりも親子の他愛のない会話。それはミハリアにとっても皇帝にとっても安心できるものであった。
しかし、皇帝は深刻な顔をして話をし始めた。


キライン皇帝「ミハリア・・・、再会して早速で申し訳ないのだが、大変なことが起こった。」


ミハリア「えっ?」


キライン皇帝「実は、様々な異世界からこの世界にとって異端者にもなる魔術者や異能者が現れてな。
         小さな集団や、あるいはどこかの世界の大組織の幹部だったりと様々だがその中に魔晶石を狙っている者も多いらしい」


ミハリア「それってまさか・・・世界混雑がこじれてきてると?」


キライン皇帝「そう考えていいだろう。異世界者に魔晶石を奪われぬよう
          今、魔晶石回収のためにこのキライン帝国の軍事国家組織であるクロスオーバーロードが全力捜査している。
          皇帝直属の幹部も4人その捜査に参加しているからそれほど心配はいらないと思うが・・・」


ミハリアは右手の人差し指と親指を顎に付けて考え込む。


ミハリア「これは一刻も早く、WPS中央司令部の仲間に知らせないとね・・・私も行くわ」


手を下して決意をするようにミハリアは皇帝に目を向けた


キライン皇帝「ダメだ!危険すぎる!
          …と、言いたいのは山々だが、WPSに入ってる時点でその危険は承知済みだ。」


ミハリア「大丈夫。普段のWPSの仕事と比べれば、危険性は薄いと思うから」


キライン皇帝「ああ、気を付けて行って来い!」


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正男と浩二は、ザトシやクリスと逸れながらも"ガイアの世界"と呼ばれる場所に辿り着いた。
そしてその世界はミハリアを初めとする、多くのWPS幹部たちの出身世界であった。

9つの魔晶石を全て揃え、本来あるべき場所に戻す。
それがこの世界での正男達の役目なのだろうか。
あるいは世界混雑そのものに影響が出てくるのだろうか。

その真実を知っているのは、ただ一人。それは…。


♪Edgar & Sabin (2)
SNES『Final Fantasy III』(海外版)より
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