中間ストーリー25
〜燃え尽きる炎〜
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水影とクリスもが戦っている中、トラスは炎影に鞭を振りかざして攻撃を仕掛ける。


炎影「ふん、そんな単純な攻撃はもう既に見切っているw(避」


炎影はトラスの鞭による襲撃を軽々しく避け
ナイフから炎を発生させ、それはやがて波となり
トラスに向かって猛スピードでかけていく・・・。


トラス「うお、あっぶねっ(避」


炎影「炎波を避けるだけで精一杯のようだなw
   その状況で次の攻撃を避けることが出来るかな?w」


炎影は自らのオーラから大量の炎球を発生させ、噴火として辺りに散らばした。


トラス「なーんてなw
    その時を待ってたぜ!」


トラスが鞭を振り回した途端。
辺りに散る炎球に沿って稲妻が走った。
そして今、二人の周りを炎と雷が包んでいる。


炎影「何・・・?何だこれは・・・?
   貴様、一体何をした!?


するとトラスが炎影を挑発するようにおどけて見せる。


トラス「火山雷って知ってるか?」


炎影「・・・?」


トラス「火山雷ってのは、火山噴火が起こる際に生じる雷のことだ。
    本来雷は氷の粒子で形成される雷雲によって発生するが
    火山雷の場合、噴火時に砂の粒子によって形成される雷雲によって起こる。」


炎影「俺が発生させたのは溶岩じゃないってのにその火山雷を発生させたとでも言うつもりか・・・」


炎影はトラスを睨み付ける。


トラス「そう思うだろ?だが火山雷はそれだけじゃないんだよ
    火事や熱で発生する上昇気流でも雷雲になりえる」


炎影「何だと?」


トラス「そして、その火山雷を発生させるのに必要なものは
    水蒸気、火山灰、火山岩。
    さっきの戦いで調べさせてもらったが
    今貴様が発した噴火には不覚にも火山灰と火山岩が含まれていた。
    そこまで分かれば、俺の雷を重ねて火山雷を発生されることが可能だ」


炎影「だがそれだとおかしくないか?
   俺の技に貴様の雷を重ねたところで貴様の技の威力が上がる理由があるのか?」


トラス「本当に何も知らないんだな
    火山灰、火山岩の固体による摩擦電気がもたらす雷であるので
    通常の雷よりも静電エネルギー量が高い


炎影「馬鹿な・・・さっきの戦いでここまで・・・」


トラス「さあ終わりだ。俺の新技で目を覚ませ・・・
    ヴォルカニック・ライトニング!!


炎影は脚部に雷を食らい、その場に跪いた。



炎影「ぐ・・・まさか、こんな餓鬼にこの俺が負けるとは・・・」


トラス「次は実力だけじゃなくて、自分の属性に関する知識も鍛えておくことだな」


一方、クリスと水影は・・・


水影「あまりにキャラが被ってるから同格になるものかと思ってたけど・・・
   ・・・つ・強すぎる・・・」


クリス「言ったはずよ。貴方は私が誰なのかを知らない・・・。
    貴方なんて私一人で十分なのよ」


普段のクリスなら苦戦していただろう。
しかし、今のクリスは違う。たくさんの世界での力を取り入れているのだ。
自然の原理がどうの以前に、実力にそれなりの差があったのか
クリスの勝利はそう困難ではなかった。


水影「貴女は一体・・・。」


水影はその先がいえなかった。
それなりに勘のいい彼女はこれをきくとまずいと判断したのだろう。


水影「・・・確かに、これは倒せなくても仕方が無いわね
   行くわよ炎影」


炎影「ああ」


すると炎影は炎となって消え
水影は水となって消えた。


キドル「何とか片付いたな」


トラス「何とか助かったよ。サンキューな、クリス」


クリス「どういたしまして」


キドル「ところで、トラスといったな。
    俺はアナザージェネエストで隊長をやっているキドルだ。よろしくな」


キドルは手を差し伸べた。


トラス「いえ、こちらこそ。」


それにトラスも手を伸ばし、キドルと握手する。


ザトシ「自己紹介もいいところだが、それどころじゃないみたいだぜ」


ザトシはふと、辺りをうろつく大量の影兵に目をやった。


キドル「ザトシの言うとおりだな
    鉱物も集まったし、こいつらを片付けてからゆっくり兵器開発するとしよう」


キドルは声を上げ、他3人に合図を出した。


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炎に覆われた人型魔獣「ウォアアアアアアアアアアアアア!!!!!」


マッドと呼ばれる男「くそ、ジャック・・・なんたってこんな姿に・・・」



とある廃墟の中にて――


マッドという男とアーサーという男は憎しみと苦しみが混ざったような表情をした人型炎体魔獣と戦っていた。
その魔獣の体そのものは炎で覆われているが、その周りには炎だけでなく、闇、雷、土のオーラもが彼を包んでいた。
魔獣の名は、ジャック───


彼は元々普通の人間だったが"十八覇者"に洗脳されてこの姿になった。
一時的に洗脳は解けるものの、多くの仲間を失った悲しみに溢れたジャックは自ら命を落そうとした。
しかしその際、正気を失うと同時に洗脳が復活し、再びこの姿になってしまったのだ。





それと戦っているマッドが炎刀でジャックを斬りつけるが
ジャックはマッドの炎刀を避け、飛び上がる。

空中に舞うジャックは自分の下にいるアーサーに向かって落下しようとするが
アーサーはそれに気付き、避ける。


マッド「今だ!アーサー!!」


ジャック「!!」


ジャックは気付いたが時既に遅し
アーサーは水の剣で斬りつけ、それはジャックに直撃した。


ジャック「ウオ、キサマアアァァァァ!!!」


ジャックは叫び倒れ、その場で気絶した。
やがて彼を包んでいた炎のオーラは消え、燃え尽きた・・・。

それはごく普通の以前のジャックのジャックも同じだった
それは姿形だけの話だが・・・。


アーサー「ふぅ、とりあえず何とかなったか・・・。」


マッドとアーサーは安堵の吐息を溢す。


マッド「大丈夫か、フレーム。」


フレームと呼ばれる男「え・えぇ...大丈夫です」


今の戦いを見ていた男、フレームは血まみれになりながらも頷く。
それはマッド達が援護に来る前にジャックによって付けられた傷だ。


するとフレームが突如はっと気付いたかのように言う。


フレーム「そういえば・・・正男さんはどうなったんだ!?」


???「おーい、マッド達、無事か!!」


その時、彼等3人はその声を聞いて信じられない顔をした・・・。
アーガスはともかく、そこに現れたのは死にかけた筈の正男と
十八覇者によって洗脳されていた浩二なのだから。


フレーム「正男さん、あなた怪我は?さっきまであんなに酷かったのに
     どうやって回復したんですか!?それにその後ろにいるのは・・・?」


正男(???)「・・・」


浩二「実は、僕が偶然持っていたクスリを飲ませて全回復させたんです。」


浩二は即座に言い訳を思いついたのか、何の躊躇いもなく言葉を放った。
それを見て正男とアーガスは驚きを隠せなかった。


マッド「浩二さんも十八覇者に洗脳されてた筈では?解いてもらったのか」


浩二「一応洗脳は解けたみたいです。
   でも、またいつ戻るか分かりません。」


マッド「そうですか・・・。」


浩二が体の融合をする際、たくさんの数の"浩二"が同化し
その殆どが堅実な性格であったため、融合を切欠として一時的に洗脳が解けたのは事実だ。
それはザトシやクリスも同じこと。
しかし、全ての世界が戻り、再び元の体に戻ればどうなるだろうか。
考えた結果はもう既に予想がつく。


アーサー「それより、無事だったのなら何よりですよ」


正男「有難う。みんな。」


正男がふと、マッド達の後ろを見渡すとそこには見覚えのある人物が倒れていた。


正男「ジャックは無事に倒せたのか」


マッド「ええ、とりあえず奴も連れてさっさと基地に戻りますか・・・」


正男「そうだな・・・
   シャドウアーミーもあれだし、十八覇者もいつ襲撃してくるか分からないからな。」


正男はジャックを担いで、他4人と共にヘリに乗った。





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♪Once More
from DarkFeather-BlueMoon

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