中間ストーリー28
〜ウラギリ〜
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〜地球防衛軍 第八基地前〜


正男「ここまででいい。あとは俺と啓鬼郎だけで行く」


ホトケ丸「おいおい、ここまで連れてきておいてそれか?」


正男達は見事にVロッドの三人を退け、地球防衛軍の基地前まで戻って来た。


正男「他にどうしろと・・・」


イーグルアイ「確かに今の自分たちには帰る場所がないが
          このまま正男についていっても仕方が無かろう。」


ホトケ丸「お前まで・・・」


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〜基地内部〜


マッド「正男さん!闇男さん!」


地球防衛軍第八基地司令室。
そこで浩二とマッド、アーガスとアーサーが出向かいした。


浩二「あ、兄さん・・・と、闇男兄さん!?」


啓鬼郎「啓鬼郎だ。」


浩二「え・・・?どうして啓鬼郎が兄さんと一緒にいるの?」


浩二は絶句しながらも正男に問う。


正男「話すと長くなるんだが・・・
     実はホトケ丸を追ったっけ、ヘルメスに会ってな」


浩二「ヘルメスさんに?それまたどうして・・・」


正男「実はな・・・」


正男はホトケ丸を追い始めてからの出来事を全て話した。

彼と戦ったこと。

そこへヘルメスがやってきたこと。

ホトケ丸は元東方司令部でヘルメスと共に行動してたということ

ザトシ達がニュクスという北方司令部将軍に狙われていたのを手助けしたこと

その後、イーグルアイと合流して小屋に行ったところ、闇男に会ったこと

その闇男は啓鬼郎と共同体となったものの、啓鬼郎は力を貸してくれるといってくれたこと


浩二「そう・・・そういうことだったの」


正男「とにかく、啓鬼郎という優秀な味方が付いてくれた。
     今回こそshadow army打倒に行くチャンスかもしれない。」


アーガス「てことは・・・」


正男「ああ、この機会をもって、shadow army本部に攻撃を仕掛けようと思う。


浩二「流石に十八覇者は人数が多すぎるし、今はShadow Army打倒が先決だね。」


正男「ただ、あそこは影の軍隊の潜むアジト・・・。
     夜に行くのは危険だろう。だから攻城は明日の朝にしよう。」


浩二「でも、行くメンバーは?」


アーガス「・・・」


正男「あまり大人数では行かないほうがいい。ここの防衛もあるしな。
    とりあえず俺と浩二とこいつは必須だな。」


正男は親指で啓鬼郎を指しながら言った。


啓鬼郎「ふん・・・」


一方、啓鬼郎は腕を組みながら鼻息を漏らした。


浩二「一応ザトシ達にも連絡してみたんだけど、二人も協力してくれるって。」


正男「そしたら責めるのはこの3人で十分だろうな。」


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トラス「・・・シャドウアーミー?」


ザトシ「ああ、多分正男達はそいつらの本拠地に向かう」


クリス「もちろん私たちも行くわよ。」


キドル「・・・あの影の軍隊を潰すのもいいが、お前等は大丈夫なのか?」


ザトシ「何がだ?」


キドル「融合を止めることを先決しなくていいのかということだ」


ザトシ・クリス「!!」


二人は唖然した。


ザトシ「お前・・・気付いていたのか?」


キドル「俺を誰だと思っているんだ?w
      アナザージェネスト隊長の思考力を舐めるなよw」


トラス「融合?どういうこと?」


ザトシ「仕方がない、ここまで来たら話すしかないよな。」


ザトシは話した。世界の融合のことを。
その中には兄弟にもムジュンが出る可能性もあるということも含まれていた。


トラス「そうか…それで異世界っぽい軍隊がいたんだ…
     ちょっと信じられないけど、現状から見たら信じるしかないよね」


ザトシ「信じてくれてありがたいな」


キドル「だが無理は禁物だ。危険が訪れたらいつでもここに戻ってきて構わないからな。」


クリス「気を使ってくれてありがとう、でも、仲間を放っておくこともできないのよ」


キドル「俺はこのままアナザージェネストを率いる。
      その間お前たちはその正男とやらの援護に行け。」


ザトシ「・・・いいのか?」


キドル「いいもなにも、これは命令だ。
      その代わり、世界が安定したら必ず戻って来い。」


ザトシ「ああ、約束する。」


キドル「クリス・・・」


キドルはクリスに視線を向け、彼女に近づく。


キドル「もし、記憶が無くとも俺の知っているクリスの面影があるのなら聞いてほしい。
      必ずや、アナザージェネストを倒し、俺たちの世界を平和にしてみせる。」


クリス「わかったわ・・・。」


キドルは再び皆に視線を向け、最後の言葉を放つ。


キドル「頼んだぞ・・・」


そしてザトシとクリスとトラスは正男達の元へと向かうことに・・・。


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ゼドル「何か見えるか、ロバート」


ロベルト「・・・明日、正男達がshadow armyってとこの本拠地に行く未来が見えるよ」


先程の瓦礫の山に溢れる地。
ロベルトは明日の未来を読んでいる。明日、正男達が奴等の本拠地へ向かうようだ。


ゼドル「shadow army...」


ロベルト「あれ・・・?ゼドル、何か聞こえない?」


ゼドル「何だ?」


耳を澄ましてみるとスパンという音が聞こえた。

気になったので二人はその音のする方向へと近づいていく。

するとそこにはそこらの瓦礫を刀で切り落としている和服の少女がいた。


ハルである。


ハルはこちらに気付き、ゼドル達の方向に振り向いた。


ゼドル「…若侍がなぜこのような場所に」


ハル「待っていたぞ、お主のことを。」


ロベルト(え・・・?)


ハル「貴公のことはライから聞いている。
    お主、色々な世界を周るようになってから2度も敗北をしたようじゃな。」


ゼドル「…WPSか。」


ハル「これもいい機会じゃろう。稽古をつけてやろう。」


ゼドル「…言っておくが俺は例え女だろうが容赦はしない。」


ハル「ああ、思う存分かかって来い」


ゼドルはハルを目掛けて闇剣で攻撃する。
しかし、剣を振り上げた時にはもうすでにそこにハルの姿はなかった。


ゼドル「チッ、なんてスピードだ…。」


ゼドルは後ろを振り向き、呟いた。
後ろにはハルの姿があった。


ハル「お主は確かに相当な実力を持っている。腰の入れ方、足の踏み出し方も悪くない。だが・・・
    魔力を持っていると何時の間にかそれに頼ってしまう。だから遅くなる。


ゼドル「…それはつまり心を無にするとうことか?」


ロベルト(ゼドルが珍しく素直だ。2人にも負けたのがよっぽど悔しかったんだね…。)


ハル「左様、私は魔力を持たぬ人間だから詳しくはよく分からんが
    魔力と共に心を無にすることで容量が軽くなり、その分素早さが上がる。」


ゼドル「成程。つまりこういうことか…」


ゼドルはもう一度ハルに突進し剣を突き刺そうとする。
ハルは避けようとせずそのまま刀で攻撃を防いだ。


ハル「ほう…言われたことを一度でできるのは、お主もなかなかやるのう。」


ゼドル「何年も修行を重ねた実力だ。並の人間が一度で出来ることではない。」


ハル「よかろう。あとはその能力を敵によって使い分けることじゃ。
    相手は魔力が強いかそれとも速さが強いか…。それを見分け、更に実力を重ねる。
    さすればきっと目的も見つかるだろう。」


ゼドル「…1つだけ聞かせてくれ。
     なぜ俺に稽古をつける必要がある?無関係の人間に。」


ハル「…お主には近いうちに災いが起こるであろう。」


ゼドル「災いだと?それは一体!」


ゼドルが問い詰める。しかし…。


ロベルト「ゼドル!また影兵の大群が・・・。」


ゼドルは剣を駆使し、後方から突如現れた数人の影兵を斬る。
ロベルトも何らかの超能力で影兵を排除する。


そしてもう一度ハルのいた方向へと振り向くが
もう既に彼女の姿はなかった。


ロベルト「消えた…?」


ゼドル「面白い。一体どこの世界で何が起こるのかは知らないが
     必ずや、元俺たちのいた世界を見つけ出して見せる!」


今、彼の発した言葉にはどういう意味が込められている?
彼らが様々な世界を旅する意味は明かされていない。
それは今も同じである。

だが、今の彼の言葉で1つだけ明らかになっただろう。


彼らは元々ヨシキワールドの世界の人間ではないということが。



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♪Boundary
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