瓦礫の山は大砲だらけ
画像提供:Super Masao Empire/正男の集い場(閉鎖)
ストーリー
マーキュリー「帝国に従わない奴は全員殺す…
ヴァイオレット・ザ・ディストーション!!」
正男たちの周囲の空間が歪み、紫色の波動が飛び交い始めた!
正男「チッ、厄介な攻撃だな…」
周囲全体を巻き込むこの攻撃されたからには正男もハルも避けながら戦うしかない。
しかも魔力が高い故、ひとつひとつの威力が常人の比ではない。食らえば一溜りもないだろう。
そんなときだった…
???「どけ、そいつは俺の獲物だ」
正男の背後から瞬時に視界まで走ってきた新たな気配と剣線。
ネプチューン 正男の集い場 |
正男、ハル「ネプチューン!?」
正男たちの前に現れたのは青雷のオーラを纏い、長柄槍を持った長身の男だった。
長身の男…ネプチューンの槍による攻撃をかわすようやや後方に下がるマーキュリーは兄弟の再会に喜びを感じたのか
不気味な笑みを浮かべる…いや、その表情は再会による喜びというより蘇ったことによる快楽といったものだった。
マーキュリー「久しぶりだな…兄さん。相変わらず冷静なようだが、ダリウス皇帝を裏切ったのは実に残念だ。
帝国に逆らう奴らの駆除は実に充実していたというのによwww
恐怖の泣き顔で死んでいく人間どもを視た時のあの快感…今でも忘れねぇよwww」
ネプチューン「黙ってろ、大時空軍の複製兵が。」
ネプチューンはその憎たらしい一言を冷静に受け流した。
──どういうことだ…?
正男たちは"複製兵"という単語に疑問を浮かべた。
こちらから見る限りネプチューンと明らかに同じ兄弟であるはずのマーキュリーとは敵対している。
マーキュリーは裏切り者なのだろうか?いや、それ以前にマーキュリーが生きていること自体おかしい。
それにネプチューンの今の言動から考えると、可能性はひとつ。
正男「あいつ…偽物か…」
ハル「だろうな。」
正男「敵の中にそういった能力者がいるということになるが、俺には心当たりがない。
もしかしたら俺の知らない大時空軍の大幹部の中に居る…そうなると相当な使い手だろう。決して油断はできんな。」
〜〜
マーキュリー「複製兵だろうと構わない。俺は今こうして蘇ることができたのだからな。
兄さんも帝国に戻って来いよ。今なら大時空軍と連合しているからどんな敵が来ても負けることはない!」
ネプチューン「黙ってろと言ってるだろう。それにお前はマーキュリーじゃない。
複製兵の言うことに聞く耳なんか持たねえよ。」
マーキュリー「残念だな・・・、尊敬してた兄さんまでもが帝国を裏切ることになるとはな。
ならば相手が兄さんでも容赦はしない!死ね!」
と、マーキュリーや長い槍で再び攻撃を繰り出す。
それを潔く避けるネプチューンだが、なぜか彼の方から攻撃する様子はなかった。
複製と分かってても、やはり血を分けた兄弟の姿をした敵に動揺してしまっているのだろうか。
マーキュリー「どうした兄さん?逃げるだけか?www
兄さんが俺を殺すことをためらうなら、俺が先に兄さんを殺すぞww」
ネプチューンがマーキュリーから距離を取ったところでマーキュリーは槍を上に上げ…
マーキュリー「所詮、魔力は俺の方が上…俺のこの攻撃には敵うまい!!
ヴァイオレット・ザ・ディストー...」
ネプチューン「昔からそこに隙が出来んだよ、テメェはよ…」
ネプチューンは心底胸糞悪そうにつぶやきながら一瞬にしてマーキュリーの懐に入り込み…
───チッ、変なとこまでマーキュリーに似やがって…
お蔭で複製兵のお前を兄弟と思って話しちまったぜ───
怪訝そうに槍の一撃必殺でためらうことなく彼の心臓を突き刺した。
ネプチューン「!?」
手ごたえが・・・ない・・・?
いや、確かにマーキュリーの心臓の部分に槍は刺さっている。
手ごたえがないというよりは、生物を刺した感覚と違うといった感じだ。
何ということか、マーキュリーがまるでモニター画面にノイズが走るかのように形が歪み始めた。
横線のノイズが徐々に激しくなり、やがてその形はデタラメとなり、消滅した。
まるで立体映像と戦っていたかのようだ…。
その光景をみて、正男たちは確信した。
ネプチューンは、死んだ自分の兄弟のレプリカを排除していたのだと。
もう少しマーキュリーの戦い方を見切りさえすれば正男一人でも倒せたが
その前にマーキュリーをよく知るネプチューンによって倒されたのだ。
血を分けた兄弟がこのような扱いをされたことに腹を立てたのか、ネプチューンは舌打ちをした。
正男「おい、今のヤツは一体なんだ?」
ネプチューン「質問したいのはこっちだ。いきなり俺たちの前に現れて、お前ら一体何が目的だ?」
正男「俺たちの目的は大時空軍を倒すこと。」
ネプチューン「なるほど、俺たちは大時空軍そのものには興味ないが、俺の兄弟の命を弄んだその幹部を許しちゃおけないからな。」
正男「やっぱりさっきのマーキュリーは偽物だったってわけだ。」
ハル「いずれにせよ目的が同じなら共に行動した方が効率がよかろう。」
ネプチューン「ついてくるのは勝手だ。だがもし大時空軍を倒すための戦力集めなら、期待はしないことだ。」
正男「兄弟の命を弄んだのが誰なのか、知っているのか?」
ネプチューン「弟のマーズが大時空軍のスパイをしてたんだが
奴の情報によれば『ウイルスコア』って呼ばれてる奴から人型の複製兵が湧き出てきたとのことだ。」
ハル「ウイルスコア…」
ちなみに、ネプチューンの兄弟は『ダガー5兄弟』の名の通り5人おり
上からネプチューン、ウラノス、マーズ、マーキュリー、そして末っ子のヴィーナスである。
ネプチューン「…見る限り、お前たちも大時空軍を倒そうとしているようだが
目的が同じだからといって、仲良しこよしするつもりはない」
正男「よーするに、『お前らはお前らで大時空軍を追ってろ』ってことか」
ネプチューン「話が早いな。まあ付いて来るのは勝手だが、助けるつもりはないからな。
お前たちがピンチになっても、見殺しにするぜ。」
正男「分かった、それでいい。」
ハル「妾も同感じゃ」
ネプチューン「やけに素直すぎて怪しいな…まあいい。
大時空軍は本拠地とは別に兵士生産場や、アジトが幾つかある。
まずは今ウイルスコアの居る一番近いアジトを破壊する。」
どうやらネプチューンの最大の目的は、死んだ兄弟を侮辱したウイルスコアへの復讐なのだろう。
正男「分かった、ひとまず俺たちも一緒に行動させて貰おう。」
ネプチューン「仕方ないな…」
----------------------------------------------------------------------------------------------------
そして同じ頃、大時空軍の兵士生産場…
先程ネプチューンが言っていた通り、ルドア達のいる本拠地とは別に
兵士生産工場や、アジト支部が幾つか存在している。ここはその1つである兵士生産する場所である。
???「…ん、反応が消えた。どうやら、水星がやられたようだな。」
???2「WPS連合軍の連中か?だが複製兵は奴一人ではないだろ?ウイルスコア」
ウイルスコア(???)「だがどうする?リカルド、他の複製兵も向かわせるか?」
リカルド(???2)「せっかく集めたコレクションを手放すのは惜しいが、致し方あるまい。」
ウイルスコア「全員向かわせるか?」
リカルド「…いや待てよ?大時空軍を潰すことが目的なら奴らからここに来る可能性が高い。
出動はさせず、ここで待ち伏せするというのもいいだろう。」
ウイルスコア「ふむ、悪くない策だ」
リカルド(せっかく集めたコレクションが欠けたのは少し惜しいが、まあいい。この時のために用意しといたのだからな。
今手元にあるのは金星、地球、火星、土星、天王星、海王星…
残るは…木星のみ…!)
♪Morph Moth's Stage
SNES「Mega Man X2」より
from VGMusic