中間ストーリー3
〜覇者巡り〜 (2/2)
〜WPS総本部 総監府 大会議室〜
入り口からみて縦長方形に模られた幅のある長机に沢山の椅子が据えられている大きな会議室に
中央司令部の幹部たちを初めとし、各司令部の代表もこの場に出席していた。
出入り口から一番離れた奥の短い面には2つの椅子が並んでいる。
正面から見てその面の左側に椅子にはラルズ総監が座っているのだが・・・
本来、その隣に居るべきであったジオン補佐官はもうこの場には居ない。
ラルズ「みんな集まったか」
ライ「私はいますよ」
ミハリア「私も来てます」
レニウス「い・います・・・」
ディレイル「いますよ」
ハル「童もおりますれば」
ヨシキ「中央、全員います」
ラルズ「東方は?」
ヘルメス「東方司令部は代表者の私のみ出席します。」
ラルズ「まあ、この会議は本来各司令部の代表者だけでいいんだが・・・」
ニュクス「中央は本部と建物が一緒だからな。全員で出席しても大してコストは掛からないんだろう」
ヨシキ「まあな」
剣鱗「それだけじゃないさ。
そもそも中央以外はほとんど代表者以外のキャラが劇中に登場してないからここで出すとややこしく…」
ディレイル「お前の発言の方がややこしくなるから止めろ」
中央以外は東方代表のヘルメス。
北方代表のニュクス。南方代表の剣鱗が集まった。
ラルズ「では、緊急会議を始める。
全員既に知っているとは思うが、全てのスーパー正男の世界が融合して構成される"大迷宮"が完成してしまった。
そしてそんな中でルドア達が率いる"大時空軍"が次々と正男界の戦士たちを味方につけているという情報も入った。」
ディレイル「何ィ?ルドアが正男界中の強者をかき集めて妙な会議を開催してるだと?」
ヨシキ「あいつ、まさか総攻撃を仕掛けてWPSを潰すつもりなのか」
ミハリア「仮にそうだとして、ルドアの最終的な目的は何なのでしょう?やはり、"時空の覇者"に関係が・・・?」
ラルズ「時空の覇者は正男界で最後の生き残りとなった場合に与えられる力だと言われている。
もし仮に時空の覇者が目的なのだとしたら、大組織を作るのは不適切だ。」
ハル「では、ルドアが仲間を集めるのには
技を全て自分のものにしようとする陰謀が関係しているんじゃないか?」
レニウス「多分、それも目的の1つではあるんだろうなー。
でも、それ以上の目的がなければわざわざ組織化しようとは考えないはずだ。
第一、逆に今までルドアが仲間を集めてなかったことから考えると辻褄が合わない。」
ライ「と、なると・・・」
ライは顎を軽くつまみながら思考を回転させていた。
しばらく考えている様子だったが、やがて目線をラルズ総監に向けた。
ニュクス「どうやら、気付いたようだな、ライ・・・」
ライ「ええ、ルドアは恐らく一旦、時空の覇者誕生を望む仲間を集めて組織化し
時空の覇者誕生を望まない戦士たちを総攻撃した後に、残った戦士同士で時空の覇者の力を巡って戦いあう。
という形で計画を実行するつもりでしょう。」
ディレイル「てことは、まさか最終的には仲間同士で戦いあうということか?」
ミハリア「そんな!そこまでして、時空の覇者の力を・・・?」
ヘルメス「私もそう思う。でないと、わざわざこの状況になってから仲間集めを始めたりはしないからな。」
ラルズ「成程・・・奴らの目的は大体予測がついた。
それに対し、我々WPSはどう対処するか、キミ達に意見を求めたい。
ジオンが裏切った今、WPSの情報が奴らに知れ渡っているだろうからそこを考慮した上で対処を考えなければならない。」
ヘルメス「ジオン・・・リカルドのことですね。そういえば総監は彼の出身世界について調べて下さってたとのことですが・・・」
ラルズ「ああ、それなんだがね・・・奴はライやルドアと同じ世界の出身だったのだよ。」
ライ「何ですって・・・?」
ライが滅多に見せない驚きの顔。
こんな状況でも、この部屋にいるメンバーには新鮮さを感じさせた。
ライ「それも何か鍵になるかも知れませんが・・・
まあそれを考えるのは後にしましょう。今はこの戦いを止める事が先決です。」
ヨシキ「そうだな・・・」
ディレイル「しかし、どうするんだ?
いくら俺たちWPSが全司令部総出動しても、きっと数で押されることだろうよ。」
ラルズ「こちらも無数に支部は存在するが、ルドアが正男界中の戦士を集めているとなると、恐らく数的にも不利だろう。」
ヨシキ「全正男界の戦士達が巻き込まれる戦いである以上、総監の言うとおり全司令部をもってしてもWPSだけじゃとても太刀打ちできない。
ここはこちらも時空の覇者誕生に反対してくれる戦士たちと協力して戦っていくべきだ。」
ハル「不覚・・・保護協会ともあろうWPSが、正男界の物語を安定させるどころか、巻き込むことになるとは・・・」
剣鱗「悩んでてもしかたないさ、俺たちも一刻も早く仲間を集めないと」
ミハリア「各世界の人たちにこっちの味方をしてくれるようにお願いしてく・・・ってことね」
ヨシキ「それからもう1つ。世界混雑関連に担当している司令部は我々中央司令部、北方司令部、東方司令部、南方司令部とされているが
必要に応じては他の司令部に協力を求める必要があるだろう。手が空いている司令部にも随時声をかけるようにしよう。」
ラルズ「では、WPSも正男界の戦士たちに依頼してルドア達の野望を打ち砕く、ということで、反対の者は居るか?」
ラルズのこの言葉に対し、首を縦に振る者は居なかった。
皆、この意見に賛成したのだろう。
ラルズ「これは驚いたな・・・、誰一人として反対者が居ないとは・・・」
ヨシキ「状況が状況ですから、そうせざるを得ないと皆考えているのでしょう。」
ラルズ「では結論。我々WPSは正男界の戦士たちとの和睦をし、時空の覇者の誕生を防ぐ。」
ライ「このことは、とりあえずレギュラー4人にも知らせる必要がありますね。」
ヨシキ「そうだな。俺が4人の場所を伝えるから、状況を彼らに伝えてくれ・・・と、言いたいところなんだが」
一同「?」
ヨシキ「どうやら時空の歪みが強すぎてWPSのレーダーが届かなくなってきている。
俺が敵の能力を分析してお前たちに通信しようとしても、上手く音声が届かないんだ。」
レニウス「えっ?じゃあどうするんだよ?」
ヨシキ「今回は俺も同行しよう。しかし、レギュラー探しには少し時間がかかるだろう。」
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現実の世界では今からおよそ400年前。大陸全体で天下を巡る戦いが勃発したという。
それは徳川家康を支持する者が集う東軍と、それを快く思わない者が集う西軍との間で起こった。
東と西に分かれた天下分け目の戦い、関ヶ原の戦いである。この戦いで天下の行方は大きく左右したのだ。
この世界では今、その戦いを更に上回る大戦争が勃発しようとしていたのだ…。
To
be continued...
♪Grid Seeker
from 柊サイコセラピー