中間ストーリー1




平助「ウィンドシア・ヴァン!!」

平助は技名を唱えるとそれと同時に槍を掲げた。
すると槍先を中心に周囲から風が吹きめ、周りの砂は砂埃となり、平助も元へ吹き荒れた。


正男「・・・・一撃必殺か・・?」

正男は砂埃が目に入らぬよう、右手で両目を隠しながらそう聞いた。
すると平助は間、髪をいれずにこう答える。

平助「ああ、俺もそろそろ面倒臭くなってきたんでな・・・。」

正男「・・・」

平助「おいおい・・・このままでいいのか?w
   あと30パーセントで完全に溜まるぞw」

一見、挑発気味な発言だが的を射ている。
このまま無抵抗で彼の攻撃を待つより、することはあるだろう。

正男は自分の危機を察知し、平助に攻撃を加えようとする。

正男「ブレイジング・インフェルノ!」

正男は剣を地に刺すと、平助の周囲から″黒き炎″が吹き荒れた。
このまま攻撃がつづくと攻撃を溜めるのは困難。

正男「せめて最低限の妨害をしてやる!」

平助「忠告はしたが、妨害しようとしてももう無駄だ!!」


平助はウィンドシア・ヴァンを発射した。


正男「ぐっ・・・」


威力も攻撃範囲もスピードも、どこをとっても弱点の少ない平助の技は正男の正面に直撃し彼を切り刻んだ。


正男「うぐぁあああっ!(吹き飛ぶ」

平助「運の尽きだな・・・」


平助は倒れている正男にとどめを刺そうと、近づいた。

正男「・・・・」

槍を心臓に当てると、正男は何も言わず槍をつかむ。
正男の目は、平助の目とらえていた。


平助「・・遅いな。 もう俺が力を加えれば・・・お前の心臓に風穴があくであろう!」



平助が正男を刺そうと、槍を握り締めた。


平助「・・・・・!?」


その時、平助の両手に激痛が走る。
先ほど正男が放った”ブレイジング・インフェルノ”の火傷のものだ。
そして平助は反射的に槍を離してしまった。


無論槍は地に落ちる。


直後、正男が咄嗟に立ち上がると、槍を奪い2・3歩後退した。


平助「ち・・・」

平助は舌打ちすると、正男の手に向かって風属性の攻撃を放った。
だが、正男は軽々とそれを避ける、すると・・・。


正男「喰らえっ!!インフェルノ・エクスプロード!!」

正男は剣先からルドアに1度ルドアに放った事のある"必殺技"を発射。
大きな炎は平助を飲み込みそうな勢いで、発射された。

平助「畜っ生しぉおお・・・・!」

槍のない彼は抵抗する事ができず、正男の″必殺技″を正面から受け。
平助は炎にのまれた。


正男「終わったか・・・・。」


正男はそういうと、平助槍を後方に投げ捨て、その場を去ろうとした。



・・・瞬間、右肩に激痛が走る。
血飛沫が舞い、咄嗟に傷を抑えながら、後ろを振り向いた。

すると、先ほど正男の技を受けたはずの平助はその場に茫然と立っていた。


平助「俺は・・・負・・けん・・・・!」


平助は正男が捨てた槍を拾い上げ、正男に戦闘の意思を示した。
体の所々に大きな火傷を負った彼が、どう正男に抵抗するのか・・・。


正男「その執念だけは認めてやるが、今のお前で・・・・っ!?」


正男はそのセリフを最後まで言いきることは出来なかった。
頬に掠り傷を負ったのだ。

正男「!?」

直後、平助の残像が目の前にうつった。
遅れて剣を振ったが、無論虚空を裂くだけだった。

正男「なんという踏み出しの速さ・・」


その時、得体の知れない不安が俺に訪れた。

正男「・・・・(唾を飲む」


あいつの姿がみえない。



逃げたのか・・・?


正男の顔は蒼白になってゆく。


正男が逃げようと思った、その時・・・・。





「アンゲスト・エアレイドォオオオオオッ!!!」





奇襲か



もしくは・・・不意打ち?



もしかすると、これは最悪な事態・・・・?


あいつは今どこに?

いま俺はどうするべき?



数々の思考が俺の頭をめぐったその時、答えは明白に。
轟音は響き、全身に流れたのは血。




彼は上から攻撃を仕掛けてきたのだ。




正男「あああああああああああああああああっ・・・・!!」


間一髪で、槍が脳天に突き刺さるという事態には至らなかったものの、槍を中心に発される属性攻撃は俺を傷つけていき、
暫くは防御態勢を維持てきたものの、最終的にあまりの強風に体勢を崩し、吹き飛んだ。


正男「う゛っ・・・・・・」

正男は左肩に負傷を負っていたため蹲ったまま立てない。


平助「油断大敵だ・・ 
  今度こそ心臓を・・・」

正男「・・・・」

平助は再度、正男の心臓に槍を向け、力を加えようとした、瞬間・・・・。



平助「し・・ね・・・・・・まさ・・・・・・・・・・・・・・・」


突如、彼の体は霧のように体が薄まりはじめ、最終的には全体が消え失せた。


自分が勝利に終わったのか、それとも負けたのか分からない結末。
結果的には助かったのだがこの事態が起こらない限り、俺は間違えなく死んでいただろう。

その後俺は無言でライの方へ這いつくばる。
平助と歩いた距離はそう遠くはない。

この世界の特徴として、薄暗く、場所がつかみにくいのが多少の傷だが、
あの距離ならばまだ匍匐で辿り着ける・・・はず。




〜その頃、ライとブライアン〜

※ここからの視点は正男と平助の戦いと同じ時間に進行している。



ライ「やれやれ・・・。」

ライはブライアンのフェンシング(銃)の
″突き″を避けながら、ブライアンに質問を問いかけていた。


ライ「あの能力、実に興味深いですね。
   私を倒したいのならもう一度発動してみては?」

ライは気にかかったため、必死に問うものの。

ブライアン「ほっ☆ほっ☆!!」

ブライアンは気にせずライに攻撃を加える。
するとライは銃の先端をつかむと、何も言わずまま圧し折った。

ブライアン「あああああああああああああああ!☆」

直後、ブライアンは泣き崩れる。


ブライアン「ワイの・・・最強の武器が・・・・!!
      毒パンツ☆イリュージョンがぁああ☆」


ライ「あの技、ルドアも使えるのですか」

ブライアン「毒パンツ拳はワイだけやぁああ!ワイの一子相伝やあぁああ!☆」

ライ「いや、そうではなくて・・召喚のことです。」

ブライアン「黙らっしゃい☆ ぷっころちゅ☆」

ブライアンはライに何故か抱きつこうと高く跳躍したものの。
無論ライは、それを何もなかったように避ける。

ブライアンが地面に突き刺さるが、それも無視し口を動かし続けた。

ライ「どうしても答えられないのですか」

ブライアン「うるさいわーーーい☆」

ブライアンは逆上し、暴れた。

ライ「なら仕方がない・・・」

ライはブライアンを気絶させようと、鳩尾に蹴りを加えた。
ブライアンは大きく吹き飛び、腹を抱えた。

ブライアン「うぎぁあああ平助がぁあああ!」

ライ「平助・・・?」

ブライアン「しまったぁ!☆」

ライ「(・・どうせ話にならないし、浩二達のガードにでも回りますか・・)」

ライはブライアンを放置し、正男達の援助に向かった。

〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 〜 

〜〜そのころの浩二とクラック〜〜


浩二「ツイン・バレッド!」

浩二は使い慣れた銃を構え、クラックに発砲。

クラック「そんなヒョロ弾・・・(右に避ける」

浩二はクラックの移動先を標準に2発弾を放った。
このままクラックが横によれば弾は当たるだろう。

しかしクラックは間一髪で弾を避けきった。
そして、彼は反撃に入る。

クラック「なかなかできるな、浩二。 
     だが俺には及ばん!!!
     これで終わりだ!」


クラックは浩二の目を引くように、人差し指を上に向けた。


瞬間、雲行きが怪しくなり始める。
結局雲は雨雲となり、轟音をなり響かせた。


辺りは影が覆い、暗くなる。

浩二「・・・雨雲・・?」


そして現在、浩二は雨雲に気を取られている・・。

クラック「隙あり!」

その隙に、クラックは浩二に向け大きな雷を放つ。
同時に空からは雨が降り注いだ。

降り始めたばかりなので浩二は感電死までにはいかなかったが、
大きなダメージを受けたことには変わらない。

浩二「なっ・・・!!」

浩二は攻撃に気づき、防御したものの反応が遅く、大きく吹っ飛ぶ。

浩二が起き上がろうとした時、クラックの追撃が始まった。


クラック「へへへ・・・w」

そう、クラックの狙いはこれだけではなかったのだ。
浩二が気がついたころ、背後にクラックが回り込んでいた。

浩二「何をする!」

両手は彼に固定され、動かせれない。
必死にもがこうが、体力の差的に抗っても抗いきれない。

クラック「処刑台を造っただけだ・・w」

その後クラックは、鍵に雷を纏わせた後
その鍵を浩二の横置いてその場を離れた。

浩二も同様、離れようとしたが、すでにそれは遅い。



クラック「砕けろ!!!」




・・・・・・雷が、鍵に降り注いだ!


それとほぼ同じ位置にいた浩二は電流を纏い、感電死。







・・・・・かに思われたが・・・?





浩二「・・・・?」


?「ったっく、俺がいなければ即死だな・・浩二・・」


雷が落ちた後が裂け、そこから黒い煙を放っている。
ここまで壮大な勢いを持つ攻撃に対し、瞬時に対応できるとは、相当な実力の持ち主であろう。


雨雲によってつくりだされた暗闇や、雨が視界を妨害するためか、声の主が視界に映らない。


浩二「・・・誰・・・・?」

浩二が男にそう問ったとき、それに重なる様にクラックが男に聞いた。

クラック「おい、テメェ・・・ 戦闘の妨害をしやがって・・ただで済むとでも思ってんのか?」

クラックが浩二をかばった男に問い詰めると・・・。

?「ああ、済む、済まない以前にお前を葬るつもりだぜ
  それと浩二・・・下がってろ」


浩二「・・・」

浩二は男を信用し、怪我のため後退。
クラックがみえないところまでゆっくりと走りきった。


その後、クラックの顔は徐々に真摯になってゆく。


?「行くぜ・・・?」


男はクラックの元へ走り込んだ。
クラックは雷を放つが、男に攻撃は一撃も当たらない。

どんどん男はクラックとの距離と縮めてゆき、
遂にはクラックに肘打ちを決めると、蹴りにかかった。


クラックは蹴りが当たる前に、自身の能力で浩二を殺すために置いた鍵を手元に誘導。

刹那、男の蹴りを雷を纏った鍵がぶつかった。


?「へぇ・・珍しい防御の仕方だ」

クラック「・・・・名前を聞いておこうか?」


?(ザトシ)「俺の名はザトシ、気が付いたらこの場所にいたんだが、
       どこであろうと悪は許さないぜ・・w」

クラックがカギに電流を流そうとした前にザトシはジャンプでそれを避けた。
ザトシがクラックに攻撃を加えようとした時、


背後に得体の知れない気配を感じた。


ザトシは空中で体勢を崩したものの、どうにか着地に成功し
後ろに居た人物を一目見ようと、後ろを振り向いた。

クラックもこの隙に攻撃を加えるのは可能だが、ザトシの反応を見てつられて
半ば興味のみでザトシの向いた方向を向いた。

ザトシ「誰だ・・?」

ザトシは振り返る。
するといつの間にか金髪の男が後ろに立っていた。

?「彼たち・・・正男と浩二はどこですか?」

男はザトシの問いには答えず、逆に何かを聞きだした。

ザトシ「正男だぁ?この場所にいんの?浩二はさっきあっちに避難したが・・」

クラック「お前はあの時の・・・これでは敵が多すぎるな・・・」


?「安心しなさい、貴方は少なくともこの世界で死ぬことはありません・・」

クラック「!?」

金髪の男は、クラックに属性攻撃を喰らわせた。


クラック「く・・・・・・・・・・」


クラックは平助と同じように霧と化し、どこかへ消えた。




ザトシ「霧・・・? ・・消えただと?何故だ?」


?「・・・元の世界に送らないと私たちWPSが異変を嗅ぎつけ駆けつけますからね・・・。
   とはいうものの、すでに私に気づかれている地点でこの計画は半ば崩壊してますけど・・」
  

ザトシ「何を言ってるんだお前・・・」

?「いえ、なんでも。
  ところで察するところ、貴方も正男達と同じで気がつけばこの世界にいたんですよね」

ザトシ「まぁそうだが・・・」

?「すると、ここに意識的に来たわけではない・・・と?」

ザトシ「そうだって言ってるだろ!?
    後お前誰だよ・・・」

?「"ライ"・・・、これから普通にそう呼んでくれて構いません。
  ・・・で。
  本題ですが・・貴方達・・・・・・・

   


  狙われてます。」




ザトシ「は・・・・・・?」


ザトシは多少焦りを見せたが、口を動かし続けた。


ザトシ「狙われてるってどういう・・・うわっ!」



ザトシの足元に弾丸が降り注いだ。

ライ「また転送されてきたようですね・・・恐らくブライアンか、だれかから・・。」


二人は背後を振り向くと、一人の男がマシンガンを構え、立っていた。

??「・・・確かにブライアンとかいうやつ、気に食わない奴だったが
   ・・・殺戮ができると聞いてお前らを狙うことにした!
   俺の名はレックス・ウィリアム、お前ら全員ぶっ殺してやる!」

レックスと名乗った男はマシンガンを構え、ライを標準に1発のみ発砲。

ライ「・・・」

ライは無言で一発を避けると、レックスは嘲笑した。


レックス「・・・・w」

ザトシ「なぜ笑う・・・・?」

レックス「こういう奴等ほど、殺しがいがあるんだw」

ザトシ「なんて野郎だ・・・・。」

レックス「さて、そろそろ本番だ・・・行くぞ!!」

レックスがマシンガンの引き金を引こうとしたその時。
何者かが彼の肩をつかんだ。

レックス「・・・お前も虐殺したいってか?」

?「楽しみは分けだ、俺はこの男。 金髪と戦いたい。」

ライ「確か貴方は・・・・」

?「・・・」


レックス「まぁいいだろ・・ めんどくなったら俺に言え。 ぶっ殺してやるからなぁ・・」

ザトシ「さて、その話は少し早いな。
    お前は俺に倒されるんだ。」

レックス「ふん、あとから後悔するなよww」

こうして、ザトシとレックス・ウィリアムの戦闘が始まった。
そしてこの場に残された二人は・・・。


?「こっちに来てくれ。 金髪。」

切り出したのがライではない方のシルクハットをかぶった男。


ライは、何も言わず男の言うままに歩いた。
ザトシ達から約100メートルほど離れたとき、男は足を止めこう一言つぶやいた。


?(θ)「俺の名前は、θ・・」

ライ「確か貴方の元の世界は閉鎖されてますね・・・?」

θ「その通り、俺の居場所は消えたんだw

  そしてこれが俺の最後の祭りだ。

   行くぞ!!楽しませてくれ!」

θは黒いブレードを取り出すと、辺りは黒いオーラに包まれ始めた。

ライ「・・・」


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

〜その頃の浩二〜


浩二「あれ・・・ 迷ったぞ・・・」

いつの間にかクラックの造った雨雲は消えていた。
空は相変わらず暗いものの、雨が降らないだけまだまし。


暫く歩くと、見覚えのある人間が倒れていることに気がついた。


浩二「・・に・・兄さん・・!?
   大丈夫? 平助は?」

浩二は正男を揺さぶる。
すると正男も浩二に気がついたらしく、顔をあげ口を動かした。

正男「浩二・・・平助は・・・消えた・・・っ」


浩二「消えた・・・?何故・・?」

浩二が再び問うと、背後から何者かが話しかけてきた。

?「消えた・・?その話もっと詳しく聞かせてくれる?

  正男・・・。」




♪Once More from DarkFeather-BlueMoon

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