中間ストーリー2




レックス「すばしっこい野郎だな!!」


レックスは素早くザトシの方に駆け込み、カッターナイフを素早く切り裂くもののそれは全て虚空を裂いている。
ザトシは必死に攻撃をかわすことしかできない状況にあったがまだ攻撃を受けていないだけましだろう。



その時レックスは、手につかんでいる巨大なカッターを背にしまうと、こう言い放った。


レックス「…このまま勝負を勝利に持ち込めると思うなよ」

そう言いながら彼は徐に背に装備してあったマシンガンを取り出す。
銃口をザトシに向けると、口端を少し上げ、引き金に指を触れた。


ザトシ「な…」


レックス「終わりだw」

声が連続で轟いた。
弾丸は地に直撃するたびに音を立て、辺りはその音一色に染められた。

10秒ほど、マシンガンから物凄い数の弾丸が放出され、弾丸が地を撥ねたためか辺りが砂埃で塗れた。

レックス「ははは! 
     ざまぁ見やがれ…! 俺に勝てる奴なんて存在するわけがない!」

砂埃のため直接ザトシの遺体を見ることはできないが彼の脳内では
血だらけのザトシが倒れていることが想像され、それを一人で信じ込んでいた。


レックス「こうしてみるとあっけないな。   
     だが所詮雑魚は雑魚ってことだw」

レックスは笑いながら、ザトシの死骸を確認しようと近づいた。

その時。


レックス「!?」

彼の両足のアキレス腱に鋭い痛みが走った。
その後彼は何も声を発することなく、後方に転倒した。

レックス「あの野郎、まだ生きてやがったか!」


レックスは匍匐でザトシが本来いるべき場所と、逆の方向に進んだ。
砂埃から完全に脱出した瞬間マシンガンを取り出し、辺りを見渡した。

無論、背後や左右にいるはずもない
引き裂かれたのは砂埃の中で、ザトシの武器はナイフ。

至近距離でしか攻撃することができないため確率的には砂埃のなかに隠れている可能性が多い。
しかし、またマシンガンを連射し外した場合再び自分が不利な状況に置かれるかもしれない。

現に両足が使い物にならない。



その刹那、砂埃に人影が映った。
レックスは反射的にマシンガンを発砲し、その人影は諸弾丸を受けた。


レックス「…!?」


打ち終わった後、弾切れという事態に陥った。
弾込めをしようとした瞬間はすでに遅く、気がつけば首筋から鮮血が吹き出していた。


レックス「っ…何故? 何故お前…に弾が…当たらな…い!」


すると背後から、ザトシの声が聞こえる。

ザトシ「それはな、お前が勝ちに急ぎすぎたからだよ。」


振り返れば彼の羽織っていた上着が1枚どこかに消えていた。
よく見ればあの人影は彼の来ていた上着、そしてその上着の懐には大量の石が詰まっている。

レックス「ふ… そういう…こと…か。」

レックスはそういった直後に煙となり姿を消した。


ザトシ「…………」

ザトシの小指は弾丸が掠ったためか、真っ赤な血が滴っていた。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー






ライ「(前方がよく見えない…)」


θ「……」

θは黙々とブレードを振りきる。
だがしかしそれはレックスの戦術とは異なり、属性を利用している。


彼のブレードの先端から、凄まじい数の攻撃が放たれているのだ。
彼が戦闘直前に造り上げたフィールドがその攻撃を見えにくくしており、攻撃をかわすのが困難になっている。

それに彼はこの戦闘で一歩も動いていない。
ただ属性攻撃がライの周囲に降り注ぎ、行動範囲をどんどん縮めているという状態にある。。


それが10分ほど続く、どう考えても長期戦で両者疲れを感じてるかと思いきや

ライは避けながら戦術を練り、θは止めの刺し方を考えていた。
そしてある瞬間、ライは一歩θの方向に足を踏み出すと、θはライの正面に攻撃を集中させた。


その瞬間ライは高く跳躍し、θの目の前に着陸
θを横に弾くとさっきの状態の二の舞になるからか、素早くθを上に弾き飛ばした。


θ「……」

θは空中で2秒ほどとどまったが、やはり重力に逆らうことはできない。


急降下をすると同時に、ライはθに波動を放った。



それと同時にθは左右にブレードを振り分けた。

θの放った攻撃は2メートル先で全てが結合し、ライの波動と激しくぶつかった。
ライは素早く後転し、衝撃波を凌いだが空中にいるθはそういうわけにはいかない。


体勢を崩したまま地に追突し、全身に負傷を追った。


θ「まだだ…。 まだ終わっていない!」


θは血だらけの右腕を軸に立ちあがる。
瞬間、何かを唱え上げると同時に周囲の闇がθの方へ集い始めた。


ライ「(背景の闇を消す…?)」


ライは彼の理解不能な行動に、思考を回転させた
するととんでもない答えを見出す結果となった。



θ「ヴォーパル・グラウンドゼロ!!」



巨大すぎる攻撃。
背景の闇全てを一体化した攻撃はライの身長を超え、ライを包み込んだ。

包み込んだ闇はライの周囲に固まり、ライを甚振るかのように激しく不規則に動く。


だがこれだけの壮大な魔力、且つθの疲れのこともあり攻撃が長く続かない。
θは最後の力を振り絞りライの方向に駆け寄るが…



ライ「……」

ライの両腕の裾が微かに千切れているだけで、全くダメージを受けていない。

θは微笑した。
自分の弱さにあきれたのか、それともライの強さに屈服したのか

それとも負けを知らなかった彼が初めて味わった敗北につながる戦闘に妙な楽しさを見出したのか。


θはライが止めを刺さずとも、静かに目を閉じた。

刹那、彼の姿は消え失せた、彼は最後まで笑っていた。



「は〜い☆」


θが消えた瞬間その空気を濁す男が地面から突き出てきた。

ライ「また出でましですかブライアン…
   このまま戦闘が長引くと面倒なんで貴方を消さしてもらいます。」

?「その通り お前には消えてもらう」


ライの背後から血だらけのナイフを持った男が現れた。

ライ「ザトシ… 
   その状態からしてみると君が勝利したわけですね?」

ザトシ「まぁ… 少しもらっちまったが…な」

ザトシは小指を抑えながら、強く微笑んだ。
だが次の瞬間その表情が溶け、鋭い目線はブライアンに向けられた。


ブライアン「そんなにみんといて〜☆」

ライ「安心しなさい。見るにも堪えない無残な姿に今変形させますから。」

ライはブライアンに向け波動を放った
無論手加減はしていない、彼を抑えることで被害がすくなるため妥当といれば妥当だろう。



しかしその攻撃は弾かれた。


ライ「予測不可能な防御。しかしその予測不可能のおかげで予測ができますね……ルドア。」


ライがそういった瞬時空中から一人の男が舞い降りた。


ルドア「俺もお前がこいつを潰そうとすることくらい予測していたぜ? ライ。」


ライ「なぜ貴方がブライアンを庇うんですか? 
    今まで組織を嫌っていたはずなのに。」

ルドア「メリットのないことは教えねえよ。
    お前に予測されることが1番嫌いなんだ。」

ザトシ「よくわからないがお前はブライアンを庇うんだな?」

ルドア「その通り 俺はその役目だからなw」

ザトシ「2体2か。」

ルドア「はははw 1体1だろ?w
    お前程度がその戦闘に加わったところで俺に消されるのが落ちだ。」


ザトシ「何だと!?」

ザトシはルドアの方向に走り、殴りかかろうとするがそれはライの左手によって止められた。

ライ「貴方の敵う相手ではない、ただの暴虎馮河です。」


ザトシ「黙れ…! こんなに舐められてたまるか!」


ザトシがそう言い放った瞬間、ライの左手がザトシの鳩尾に食い込んだ。

ザトシ「ぐっ…」


ザトシは蹲ると、ライがザトシの襟をつかんだ。。

ルドア「ふんw
    また逃げるのかw まぁ当たらな刺客を5体送ったからせいぜい楽しんでくれw」


ライ「(新たな刺客…か…)」

瞬間、ルドアの目の前にいたはずの二人はどこかにテレポートした。



ルドア「…刺客が適当にライ以外の人間を消してくれればいいんだけどな…
    まぁやつを消すの絶対俺だ。」

ブライアン「ねえねえそれよりも! ワイとボディーフィルダーごっこしいひん!?」

ルドア「さて、俺は上から様子をうかがうとしようか。」


ルドアは大きく翼を広げると、リリスの居場所である『天空城』へ向かった。





ーーー



「ありがとうクリス。」

赤帽子の少年はその場にたまたま合った少女に例を述べた。

クリス「そんなことどうでもいいわよ。
    それよりもどうにかこの場を出ないと…
    私の回復させる力もそう頻繁に繰り出せるわけじゃないしね。」


浩二「でもクリスがここにいてくれて助かったよ…
   平助ってそんなに強い人だったんだね」

正男「強いも何もあれは異常だった。
   あんな化け物が繰り出されていたらとても…」


その瞬間、何もないはずの空間に二人の男が出現した。

ライ「新たな刺客が5人来るかもしれませんので戦闘の準備は整えておいてください」

正男「いきなりかよ… ていうか『そいつ』は大丈夫なのか?」

ライがつかんでいたザトシを差して、正男は心配そうにライに伺った。

ライ「大丈夫ですよ内臓は破壊されてません」

クリス「とはいっても諸、気を失ってるように見えるけど…あと内臓って…」

クリスはザトシの腹部に手を置くと。
瞬間ザトシの意識が蘇り、彼は辺りを見渡した。

ザトシ「畜生! あの黒羽野郎絶対殺す!!」

正男「黒羽?ルドアとかいうやつのことか?お前、あいつに出会ったのか?」

ザトシ「お前もか? あんな野郎大したことないだろう?」

ザトシがそういった直後、正男が徐にザトシの肩に手を置きこういった。

正男「あいつに近づくな、俺たちの手に負える相手じゃない」

ザトシ「正男… お前まで…?」

浩二「それよりも刺客が5人送られてきたんでしょ? 
   でもそいつらを倒していったところで何も起こらない。
   なら黒幕であるリリスを潰した方が早いんじゃないの?」

クリス「まぁ聞いた話によると『刺客を出す刺客』のようなのがこの世界に何人かいる訳で
    そいつらを潰せば治まるってこと?」

ライ「まぁ極端な話そうなるんですが、居場所がつかめない。
   取りあえずブライアンという男がその一人のようです」


正男「ならどうする? ばらばらに行動するか?」

ライ「この世界に連れてこられた人間は恐らく他の世界での強い意志を持つ人間。
   よって集団行動を嫌うでしょう。
   だから2ペアで移動すれば大体処理出来るはず。」

正男「よし、なら急ごう! 行くぞ浩二!」

浩二「ええっ なんでぼく?」

正男「黙れ、さっさとついてこい!」

正男は浩二の右腕をつかむとどこか適当な方向に姿を消した。



ライ「ならザトシとクリス 貴方達二人で行動してください。」

ザトシ「…」

クリス「じゃあ貴方はどうするの?」

ライ「私は1人で大丈夫です。取りあえず貴方達は敵を倒していってください。
   尚、黒羽の男には近寄らないように。」

ザトシ「なぜお前ほどの実力をもってあいつを危惧する?大体正男まで…」

ザトシは真摯な表情でライに問い詰めた。

が、しかし。

ライ「……兎に角近づかないように。」


ライはザトシの発言を無視し
それを告げるとテレポートしその場から去った。


ザトシ「なんなんだ……あいつら…」

クリス「そんなことよりどこに行く?
    辺りが暗くて方向は分かんないんだけど流石に動かないと正男達に悪いし。」

ザトシ「正男達がいった逆の方向に行けばいいんじゃないか?
    そうすれば出られる方向をより早く見つけられるじゃないか。」


クリス「そうね。なら行きましょう。」

クリスとザトシは辺りを見回しながら、その場を後にした。



……

正男「さて…と背後にいる奴。出てこい。」

浩二「…」

正男は気がついていた。
先ほどから後ろを付けられていたことに。


「おい、気がつかれたぞやっぱお前のせいじゃねえか牧山!」
「黙れ! デブかデブかじゃないなんて、関係ねえよ!!」


正男「あいつらか…中林と、牧山」



浩二「…」

正男がそう呟いた瞬間。背後の岩陰から二人の男が姿を現した。

中林「ブライアンというやつが喋っていたが…
   この世界とかいうものが、俺たちの世界とつながっているというなw」

浩二「そうだけど、何?」

牧山「帝国軍からの襲撃の際ここに避難すれば被害が逃れる… 
   いや、ここから奇襲すれば戦いを勝利に持ち込むなど容易いはずだ。」

中林「で。
   お前らが邪魔なんだよ。お前は何故か死んだはずなのに生きてやがるしな…。」

正男「(そういや元の世界で俺は死んでいるらしいな…)」

中林「まぁ説明はここら辺にしておく。行くぞ! 偽善者!」



ーーー

牧山「中林は攻撃的な性格だから戦うとなればすぐ勝利するだろう。」

浩二「兄さんは負けない!お前にも…。」

浩二は挑発的口調でそう言い放った。


牧山「舐めた口をきくな! フローズン・アックス!」

浩二「…!」







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