中間ストーリー1


ディレイル「チッ、この世界の物にはうかつに手を出せねえな…」


ディレイルは一人で戦車と戦っていた。
彼が本気を出せば、こんな戦車1つ、撃退させることは可能なのだが
そうしてしまうと撃退どころか、破壊することになってしまう。

事情があるとはいえ、この世界に大きな『矛盾』を残してはいけないのだ。


女の声「はっ!!」


突如、ディレイルの前に着物を着た女侍が現れ
刀で戦車を襲撃する。


戦車はやがて動かなくなり、所々から煙が上がった。


ディレイル「ハル、どうしてお前がここにいる?」


目の前に現れた女の侍の名はハルといった。
どこの世界が出身なのかは知らないが、彼女の刀の実力は超一流で、魔術を持つ輩ですら恐れられる程だ。
彼女の性格は…捕えどころが無く、普段は何を考えているのかよく分からない、謎に満ちた存在だ。


ディレイル「まあいい、あの侵入者がどうやって異次元ゲートを越えて我々のところまで来れたのか…
        その答えがここにあるとヨシキは言っていたな。」


かつて、真田忠は他の世界と繋ぐ橋を作り上げたという。
ここはその孫であるおいさとの基地なのでここに答えがあるのではないか。
だがそんなのは所詮1つの案でしかなかった。
無論、調べてみる価値はあるのだが…。


二人は目の前の大きな扉を見て確信した。
この先は、メインコンピュータルームだと。


二人はそこへと入る。


全ては、侵入者を突き止める為に───














ツインヒーローズ side.Masao World Adventure
〜地獄からの逃亡者〜

















〜22:21 おいさとの基地 メインコンピュータ室〜


ディレイル「これがこの基地のメインコンピュータか…意外に小さいな」


ハル「まあそこはともかくとしよう。」


コンピュータを起動させ、データを参照してみる二人。
そこには60年前のスザク・プロジェクトのきっかけが書かれている日記が残っていた。



19XX年○月×日

数年前、この世界に小さめではあるが隕石が衝突した。
その際にその不思議な隕石の重力により生まれたワームホールから黒い人間が現れ
その人間は「頼む、朱雀を蘇らせてくれ…」と言って、試験管を私に渡した。
それを渡すと黒い人間は再びワームホールを渡り去っていった。
試験管の中身は何と、人間とは掛け離れた力を持つ遺伝子だった。
これが奴の言っていた"朱雀"とやらの遺伝子なのだろうか。


そして今日、ついに極秘に伝説の戦士のクローンを生み出すプロジェクトが行われた。
実験は成功した、遂にスザクが目を覚ましたのだ。


しかし、どうしてあんなことになってしまったのだろう。
突然、破棄した筈のスザクの失敗作が暴走しだしたのだ。
あいつに危険な目を合わせないために覚醒注射もしたのだが、やはり心配だ。

頼む、スザク…どうか、無事でいてくれ……。


ディレイル「失敗作が暴走…?」


ハル「まさか…、WPSに侵入してきたのはその失敗作だというのか?」


ディレイル「しかし、それはもう60年も前の話だ。奴が今更WPSにまで上がってこれるとは思えねえ。
        それに覚醒注射っていうのも気になるな…」


なんということだろう。真田は本当に異次元へと行き来できるマシーンを作り上げていた。
まさか、ヨシキの予測が当たるなんて…。

そればかりか、60年前の実験ではどんな事件が起こったのかは分からないものの
スザクの何かを変化させる注射を刺したのは分かった。

一体60年前、真田は何をしたんだ…?


いずれにせよ、このデータは重要だ。
一旦本部に戻って報告すべきだろう。


ハル「そういえば、正男と浩二も今、WPS中央司令部に来ているようじゃな。
     あの二人に聞けば、何か分かるかもしれん」


ディレイル「それは本当か?」


ハル「ああ、一旦本部に戻ってヨシキに報告するついでに、二人から話を聞いてこよう。」


ディレイル「わかった。俺はその間、更なる情報がないか、この世界を当たってみるとするか。」



♪Logic & Trick
Nintendo DS「Phoenix Wright: Ace Attorney」より
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