オープニング


〜???〜


誰もいないコンピューター室…。
もちろん電気はついておらず、誰か人が来る気配すらなかった。
しかし、そんな部屋に1人…いや、1体の人型兵器がここにいた。


そのメカは胸中に内臓されているコードを触手のように飛び出し
マザーコンピューターに差し込む。彼は不気味な笑みを浮かべた。
いや、メカなので表情は読めないが、確かに心の中で笑っていた。



???「全テノペトモンデータ、拝見サセテモラッタ…w
   アトハ…アノ チカラガ アレバ…」



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人の数だけ物語が存在し、どのような物語もいずれは幕を閉じてしまう。
しかし、その物語には決して意味が無いわけではないのだ。
筆者は読者の人たちに何を伝えたいか。物語には必ずその"意味"がなくてはならない。
戦の苦しみ、歴史の大切さ、反転した運命、嫉妬、生きる希望、時の流れ、恋愛、正しき人生…。


表の世界に存在する数々の物語の多くはハッピーエンドという形で幕を閉じる。
しかし、それは都合の良い設定による奇跡が存在するからであって、所詮は無数ある物語のなかの極一部でしかない。
大半の物語は悪い結末となって幕を閉じてしまうのだ。


悪い結末とはどういう結末なのか。


大切な人の死?それとも世界の終わり…?



実はそうだと言い切れるものではない。


それを防ぐべく為に一つの物語と物語の狭間の次元には大きな組織が存在している。
それはひとつの物語の空間の歪みや、不幸な結末を防ぐために統制されている組織なのだ。


では、彼らはどういった役目を果たしているのか。


もしかすると、本来世界が終わる筈の物語の中に彼らがこっそり潜んでいるのかもしれない。


彼らが物語の住民に存在を知られることは極めて少ない。


しかし、彼らの存在を知る極僅かな人たちは彼らのことをこう呼んだ…


World Protect Systemと。





しかし、そんな組織で大きな事件が起こった…


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〜World Protect System(WPS)中央司令部〜


WPS内で突如警報が鳴り、廊下にあたる多くある鋼鉄のゲートが閉まり始めた。


アナウンス「WPS中央司令部、情報処理室より侵入者を確認!
       敵は現在、情報処理室より第四ワープルームに向かって逃走中。
       現場付近にて待機中のWPSソルジャーに告ぐ。至急、侵入者を捕獲せよ。」


しかし、鋼鉄のゲートは一撃で破れ、侵入者が姿を現した。

もはや人間とは思えぬ動き、そしてスピードで駆け抜ける。
いや、奴は人間じゃないのだ。次々と掛かってくるソルジャーにやられることなく
ワープルームへと向かった…。




〜WPS 中央司令部 司令室〜


???「何!?マザーコンピューターをハッキングされた!?」


ここは"WPS"総本部こと中央司令部。
別の次元にも支部を持っているが、ここは全支部をまとめる本部である。

物語をごっちゃにした人間や組織などの拘束権や捜査権などを持つ彼らだが
何者かに司令部のデーターをハッキングされたせいか、慌てた表情をしている男がいた。

その男と向き合っているのはディレイル。
緑色の長髪に額にかかる蒼いゴーグル。
紺色のジャケットが目立ち、ワイルドな雰囲気が出ている。

一見ガラが悪そうだが柔軟性があり、しっかり者である。


一方、慌てた表情をしている彼の名はヨシキ=サザンクロス。
若干長い黒髪だが丸っこい髪型をしている。
左目は紅く、少し不気味にも見えるかもしれない。


ヨシキ「ああ…、まずいことになったな…」


ディレイル(???)「一体何の情報が盗まれたというんだ?」


ヨシキ「ペトモンのデータだ。それもあらゆる世界のな。」


ディレイル「余計な荷物を背負っていくのは面倒だ。早めに対処せねばな。」
        …それで、侵入者の出身世界や行き先は分かっているのか?」


ヨシキ「幸い、奴の出身世界と行き先は同じのようだ。」


ディレイル「だがその情報がその世界で悪用されてしまっては大きな矛盾が生まれてしまう。
        奴はどこの世界に向かったんだ?」


ヨシキ「行き先は"ヨシキワールド"の世界だ。」


ディレイル「…昔、科学が発展していたというあの世界か。魔力が存在しない世界なのは少し残念だが…」


すると、突然金髪の男、ライが話しに割り込んできた。


ライ「それより、どうして奴はWPSの基地内へ入り込めたのでしょうかね?」


ディレイル「そこが問題だ。ヨシキ、何か分かるか?」


ヨシキ「おいさとの祖父"サナダタダシ"。彼は60年前、この世界のキーパーソン的存在だった発明家だ。
    驚異的な科学力を持ち、発明王のように崇められたため"セカンドエジソン"という二つ名を持っていた。
    そんな彼がもし、時空を超えて異世界に行く技術を持っていたとすれば、全てつじつまが合うのだが…」


ディレイル「そんな馬鹿なことが…」


ライ「ありえない話ではありませんね。しかし、真実は必ず確かめなければならない。」


ディレイル「お前のその話が本当なら、確かめてみる価値はあるな。」


ヨシキ「次の任務遂行時刻までしばらくは時間がある。
     レニウスとハルも同行させる。一応バックアップは俺が担当しよう。」


ディレイル「わかった。まずはそのサナダタダシとやらの情報を探ってみよう。」


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今、始まるのだ・・・
ヨシキワールドの新しい物語が。



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Nintendo 64「Bomberman 64: The Second Attack!」より
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