中間ストーリー9
〜目標〜



S・MMO「MMO軍を全員倒すとは大したものだな。だが目標を失うという未来は変わらない。
       この地域の目標は既に消した。やがてこの世界中の目標をも失うだろう。」

会長「果たしてそうかな?」

S・MMO「何?」

その時、彼らはさっきまでは無かった”目標”というものを感じた。



目標とは一体なんなんだろうか。

一般的には、見てすぐわかるようにつけた”印”と言われている。

しかし”目標”という言葉の意味はそれだけなのだろうか、意味は一つしかないのだろうか。



実はそうとも言いきれないのかもしれない。

MMOB会長と正男、そして水玉亀はただひとつ、その事を考えていた。



”目標”の意味はそれだけじゃないともいえよう。

人は「5年後、10年後の目標を持ちなさい」といわれがちだが

誰も彼もがどうして目標を持たなければならないのか



大昔の人々は食料調達などで時間を割かれ、目標を持つ必要なんて必要なかったであろう。

しかし今現在の人間は、見事な技術の発達により、食べ物はすぐに手に入る。

その分時間があまり、暇を持て余す人々が増え、これでは皆がだらけてしまうため

誰かが考え出したのであろう。



生きる意味が分からなくなった人は目標を持つことで生き残れる。

つまりこれを逆に言うと、目標を持たないと生き残れないと言っても過言ではない。



よってMMOは世間では生き残れない。

MMOバスターズ会長はその思いをS・MMOにぶつけるように立ち向かっていく。

たとえMMOの数が100人、200人いても彼ら、MMOバスターズは決して諦めることがなかった。その最大の理由が・・・



目標があったからだということが言える。



会長「うおおおおー!」

会長の思いが伝わったせいか

さっきまで何も無かった周りの景色が徐々にごく普通の草原の景色へと変わっていく・・・。


S・MMO「馬鹿な!世界が再生していくだと!?なぜだ!!!目標は消した筈なのに!!!!!


会長「確かにこの辺りの目標は消えていた。だがMMOが消えたことで世界は再生される。

    目標を持たない者よりも、目標を持っている者が一人でも多ければ

    その世界は存在する



S・MMO「ク・・・くそ・・・・。」

会長「止めだ」

そういうと会長はS・MMOの前で大ジャンプをし、彼に向かって落下する。

そして会長の足はS・MMOに直撃した。

S・MMO「ウゥ・・・」

S・MMOはその衝撃で体を動かせなくなった。



会長も力を使いきったせいか、その場に倒れてしまった。



正男&水玉亀「会長?」

会長「正男、すまんがMMOバスターズの基地まで負ぶってくれないか・・・方角は南のほうだ・・・」

正男「わかった」



正男は会長を背中に乗せ、言われたとおりの方角へ向かい、MMOバスターズの基地へと戻った。

ちなみにS・MMOは消息不明となり、とりあえず世界危機からは開放された。





会長「世話になったな正男」

正男「こちらこそ」

会長「正男、これからは何処に行くんだ?もしよかったらこれからも俺たちと一緒にMMOを排除しに行かないか?
    またいつS・MMOたちが襲ってくるかわからないからな。」

正男「あんたは言ったはずだ、人にはそれぞれやるべきことがあるってな。
    俺は俺でやるべきことがある。まだ危機に襲われている世界がたくさんあるからな。
    また違う世界を救いに行かなければならない。」

会長「わかった。旅の無事を祈っている。
    水玉亀はどうするんだ?」

水玉亀「僕はとりあえず家に帰るよ、何かあったらまた呼んでね。
      いつでも駆けつけるから。」

会長「ああ」

そして正男と会長、水玉亀は別れ、正男は次の世界へと出発することにした。


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聞き覚えのある声「ご苦労だったな、正男。」

正男「ふぅぎゃああああああああ!

聞き覚えのある声「驚きすぎだろ・・・」

正男「この声、ヨシキだよな?どこにいる?どこから喋ってるんだ?」

正男は辺りを見渡すが近くにそれらしき人物はいない。
今、ここにいるのは正男だけの筈だ。

ヨシキの声「辺りを見渡しても俺がいないのは当然だ。
        なんせさっきインプラント手術でお前の脳に通信機を仕込んでおいたからな」

正男「なあああああああにぃぃいい言いいいいいいい!!!!????

ヨシキの声「・・・というのは冗談で、通信機はお前の服の中に入れてある。」

正男は慌てて服の中をチェックした。
するといつの間にか通信機が仕込んで合ったのだ。

正男「なんだよ、ビックリさせやがって・・・。」

正男「まあいい、それよりヨシキ、次の世界へ行きたいんだが、生憎ワームホールを使える奴がいないんだ。    誰か呼んでくれないか?」

ヨシキの声「その件だが、実はワームホールを唱えること意外にもうひとつ存在するんだ。」

正男「何?それは俺だけでもできることなのか?」

ヨシキ「多少苦労するが、一応できる。
    "世界混雑"が起こっている今、世界各地にほんの数箇所"世界と世界を繋ぐ橋"が存在してるんだ。
    俺たちWPSは"ワームホール"と呼んでいるのだが、それを探し出して次の世界へ移動する。」

正男「まずどうやってそれを探せというんだよ・・・」

ヨシキ「そこは俺が探し出してやるから安心しろ」

正男「へいへい。」



それから正男はヨシキの指示に従い、自力でワームホールを見つけて次の世界へと移動した。



ここで第一部の戦いは幕を閉じる。

第二部ではいったいどのような戦いが待ち受けているのだろうか。

そして世界を混ざり合わせたのは一体何物なのだろうか。

それはまだ、誰にもわからない。

第一部 THE END


♪生命 〜遠い約束〜 「Chrono Cross」より
from with-Pippi

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