中間ストーリー26
〜見えない爆弾〜
 (2/5)



〜鉱山 小屋の外にて〜


ヘルメス達が出て行った後、ザトシとクリスは小屋の周りを偵察していたが
その時にはもう既に日は沈んでおり、夜になっていた。
昼間の時点で晴れではなく、雲が鉱山を覆っていたので勿論上には星空も何も見えない状態だ。



ザトシ「ヘルメスが言っていた・・・。
    北方司令部の奴がこんな所に来るのか」


クリス「ヘルメスさんが言っていたのならもうすぐ来るはずよ。ここに」


ザトシがライトに明かりを付けて辺りを照らすが
近くにそれらしき人物は愚か、人の気配すらなかった。


ザトシ「そうだな。常にここの様子を見てないと下手すればキドル達を巻き込んでしまうからな。ん?」


ザトシがふと、眉間に皺を寄せた。


------------------------------------------------------------------------------------------------------


〜WPS中央司令部〜


ディレイル「なぜ、浩二に手を出した?」


ディレイルは冷静に男を見下ろしていた。その傍にいるレニウス。
男は鎖によって体を縛られ、身動きがとれず胡坐状態だった。

その男の名は、イーグルアイ。


イーグルアイ「・・・自分たち北方司令部は、何が世界を融合させているのかを調べていた。」


レニウス「まさか・・・その原因がレギュラー達にあるとでもいうのか?」


イーグルアイは頷いた。


イーグルアイ「ああ、もちろん浩二だけではない。
       世界混雑の原因はレギュラー4人にあるのではないかと考えた俺たちは
       奴等を捕獲しようと考えた。」


ディレイル「じゃあなぜ、素直に本部へと誘導しないんだ?」


イーグルアイ「北方司令部のニュクスが当初、"レギュラー4人を殺す"と提案してたからな。
       俺達は何とかしようと、"捕獲するだけ"と必死に提案した。
       その結果、俺達の意見は通ったが、これ以上状況を安易にさせることは困難だった。」


レニウス「ニュクス・・・?」


イーグルアイ「ああ・・・。
       俺たち北方司令部の、将軍ってところか。」


レニウス「北方司令部将軍の命令によりレギュラー4人を殺す作戦。
     そしてそのレギュラーを守る東方司令部・・・・
     やはりこの2つの司令部、関係があるのか」


イーグルアイ「東方司令部・・・?いや、そんなとことは関わってないな」


ディレイル「何・・・?だとしたら一体何があるというのだ?」


イーグルアイ「レギュラーどもを待ち伏せするために修羅場の世界にいたのだが
       偶然にも東方司令部もが同じ世界にいただけだろう」


レニウス「そうとも思えんな。今の話から探ってみると
     北方司令部の幹部と東方司令部は何らかの繋がりを持っている・・・。」


イーグルアイ「繋がり・・・だと・・・?」


今ここに居るメンバーは知らないようだが
ヘルメスはニュクスを怪しいと感じていたため、ホトケ丸をスパイとして北方に送り込んでいた。
ただ、それだけのことなのだ。


ディレイル「確かに、無数の世界の中で2つの司令部が滞在するというのに
      北方の奴が東方司令部に会わないというのは引っかかるな。」


レニウス「ライに聞いてれば何か分かるんじゃないか?」


現在ライとミハリアは同じく修羅場の世界にいるルドアを捜索中。
しかし、見つけたとの情報は来てないのでニュクスのことまでは回らないだろう。


ディレイル「いや・・・もう少し様子を見よう。
      今正男達は何処にいる?ヨシキ」


ヨシキ「ザトシ達が今鉱山にいるから恐らくその近くだろうな。
    今レーダーで検索してるのだが・・・ん、こ・これは・・・!!」


見つけたようだが、ヨシキはそれと同時に目を丸くした。


ディレイル「どうした?」


ヨシキ「正男と北方司令部の幹部一人、そしてヘルメスが一緒だ。
    それにこの動きからすると・・・正男達と北方幹部が一緒に行動している。」


ディレイル「北方司令部が・・・?」


レニウス「それより、何たって正男はヘルメスと一緒なんだ?」


ヨシキ「分からん・・・。兎に角、ザトシ達の近くにいる主将らしき人物を何とかするべきだな」


ディレイル「俺たちの出番か」


ヨシキ「いや・・・」


ヨシキは手を首に当て、信じられないことを口にする。


ヨシキ「そこにいるイーグルアイにその任務をやらせよう」


ディレイル「何!?」


イーグルアイ「・・・」


ディレイル「ヨシキ、それは本気なのか?
      奴は浩二を傷つけた北方の連中の仲間だぞ?」


ヨシキ「確かに、そいつはWPSのくせしてレギュラーである浩二を襲った。
    だがこのまんま放っておいてどうする?何にもならないだろ
    それなら奴に任務を実行させ、責任を取ってもらう。それが正当なやり方だ、違うか?」


レニウス「その通りだよディレイル。
     気持ちはわかるが、ここは軍じゃない。刑を執行するなどは勿論できないし
     警察等へ引き出そうともここは次元と次元の間に存在する空間・・・。
     俺たち保護協会に今できることはそれしかない」


ディレイル「そうか・・・レニウスもそういうのなら俺も賛成だ」


ヨシキはイーグルアイの前にしゃがみ込み、イーグルアイの縄を解く


イーグルアイ「俺を・・・許すというのか・・・?」


ヨシキはイーグルアイを睨み付ける。


ヨシキ「今の話を聞いてなかったのか?
    お前にはそれなりの責任を取ってもらうために任務を与えたまでだ。
    勘違いするな。」


イーグルアイ「罪人を解放させて、お前に迷いはないのか?
       悪いが俺はその件に乗るつもりはない。」


ヨシキ「言っておくがこれはお願いではない、命令だ。
    貴様が何を思ったのか知らんが、お前に拒否権はない。」


イーグルアイ「・・・」


----------------------------------------------------------------------------------


〜shadow army 本拠地付近〜


啓鬼郎「地図によると・・・もうそろそろだな」


先ほど∞に渡された紙の裏には捜索のための地図が描かれていた。
啓鬼郎はその地図を利用し、ガウスの復讐を加えるべく、shadow armyの本拠地付近へとやってきたのだ。
が、敵が全くいないわけではなかった。


彼の目の前に大量の影兵が現れ、一斉に啓鬼郎を襲う。


啓鬼郎「くそ、簡単に通してもらえる訳じゃなさそうだな・・・」


啓鬼郎は影兵に怪訝な顔をしつつも、武器である巨大な闇の斧を構えた。


----------------------------------------------------------------------------------


クリス「どうしたの?ザトシ」


ザトシ「そこに誰かいるな?誰だ!出て来い!!」


暗くてよく見えない中、怪しい人影が見えたので
ザトシが厳しい口調で言う。すると・・・


???「この中で私がいることに気付くとは、流石はレギュラーともいえようか」






次へ


♪欺蝕
from soleil-musique

inserted by FC2 system inserted by FC2 system