中間ストーリー27
〜偽りの信憑性〜
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ファレオ「ハッハ!!どうした?もう終わりか?」


マッド「ぐっ・・・」


ザトシ達がカレーを食べている頃、マッドとファレオは瓦礫だらけの街中で戦っていたが
マッドは劣勢となってしまう。


ファレオ「さあ、おとなしくブルーストーンを渡してもらおう」


マッド「渡すか!貴様らに何の目的があるのかは知らんが
    こいつは絶対に渡さねぇ!」


キイイイイン・・・・(ファレオが攻撃オーラを貯める音)


ファレオ「チッ、もう少し楽しめると思ったんだがな。仕方が無い。
     ちょっと早いが、楽にしてやろう・・・・。
     ブルーストーンに傷が付かない程度にな!」


ファレオ自ら貯めた炎のオーラを一気に放出した・・・
その爆風は凄まじく、マッドは遠くへと飛ばされてしまう程であった。

しかし、マッドは飛ばされるどころか、傷一つ負ってなかったのだ。


ファレオ「何!?」


そもそもマッドはファレオの攻撃を避けていなかったが
直撃寸前に現れた蒼きシールドがファレオの炎を吸収していた。


マッド(・・・?)


そう、これこそがブルーストーンの力"ブレインシールド"。


5つ集えば隕石から守れる力を発揮するのだ。
増してや今はその5つが同化してしまっている。


ファレオ「馬鹿な・・・まさか、ブルーストーンが融合しているのか?
      レーダーじゃ1つ分の反応しかなかったぞ!?」


???「・・・さしずめそれはサーバーの残骸が漂流して流れ込んできた負の遺産のようだな」


誰も気がつかなかった・・・


後ろに第三者がいることに。


ファレオ「だ、誰だッ!!」


隣にいたマッドにも、ファレオの額に流れる冷や汗の感覚が伝わってきた。


???「この世界のお宝・・・見つけたぞ!!


そこにいたのはレイドだった。


ファレオ「おい、貴様が誰だか知らんが。その台詞からして貴様もブルーストーンを回収に来たのだろう?
      ならお前も地獄送りにしてやろうか。」


レイド(???)「残念だが、僕は貴様に地獄へと案内されに来たのではない
         この世界のお宝を手に入れるために来たのだ。
         貴様こそ大人しく引き下がりたまえ。こいつからブルーストーンを奪うのは、僕だ。
         マグネティック・フィールド!!


マッド(まずいな・・・あの二人が仲間ではないとはいえ、標的を持っているのはこの俺。
     俺があの二人を同時に敵に回しているも同然・・・。)


しかし、ブルーストーンを狙ってやってきたレイドは今回不運であった。
レイドが操る磁界は高温で熱すると分子配列が崩れ、磁力を失う。
即ち、マッドもファレオも"熱"を扱う属性であるため計算上、レイドは不利となる。

しかし、今戦っている場所は瓦礫に囲まれた廃墟・・・
磁界で重いものを持ち上げてそれを振り落とす、という攻撃手段もあるのだ。

レイドが挑発するように手のひらを瓦礫に向ける。
するとほぼドッスンスンと同じ大きさと思われるビルの破片が浮かび上がり
レイドに向かってくるが、彼のてのひらの手前で停止した。


ファレオ「ば・馬鹿な・・・ビルの破片を持ち上げるだと・・・!?」


レイド「まずは邪魔者から消すとしよう・・・
    マグネティック・スロウ!!


レイドは持ち上げたビルの破片をファレオ目掛けて放つ。


だが、ファレオはジャンプしてそれを避けきる。
ビルの破片は通り過ぎて行った・・・。


ファレオ「おいおいw 何処狙ってんだ
       どんな攻撃だろうと当たらなければ…」


レイド「"意味が無い"…と言いたいんだろ?
     残念だが僕にこの言葉は通用しないよ。数々の世界を旅してきたけど
     そのようなセリフ、もう何度も聞いてきたからね…」


ファレオ「何だと!?」


レイドは挑発するように人差し指を立て、手前へと振る。


すると先ほどのビルの破片が再びレイドの方向へと向かってきていた。
つまり、後ろからファレオに激突する寸前だということだ。


ドガァン!!


ファレオ「グハッ!!」


ファレオは倒れた。


レイド「大人しくしろ」


ファレオ「た、たのむ! 金はいくらでもやるから命だけは!」


レイド「・・・僕が欲しいのはお金なんかじゃないんだよ。でも、命が欲しいわけでも無いからね。
     君に選択肢を与えよう。ここで欲望に潰されて死ぬか。それとも蒼い石を諦めて逃げるか。二つに一つだ!


ファレオ「わかった・・・今回は引き下がろう。」


ファレオは恐怖のあまり、案外簡単に引き下がった。


最後にマッドのほうを振り向き、最後の言葉を残す。


ファレオ「次は・・・必ず奪う!


そう言い残し、ファレオは消え去った。


レイド「次はお前の番だ。」


レイドはマッドをにらみつけた。


マッド「・・・貴様の属性は何だ?」


レイド「磁界だよ。この世界じゃお目にかからない属性だろう?」


マッド「成る程・・・だが、俺はあいつのようには行かんよ
     マグマ・ショット!!


マッドが変形武器を銃に変え、乱射する。
その矛先は周囲にある少々大きめのビルの破片ばかりだ。


マッドはさっきのレイドの行動を見て情報を掴んだのだろう。


丁度レイドが持ち上げられる限界の大きさに近いものが殆ど砕かれ
残ったのは磁界で持ち上げられない大きさの破片と細かく石ころのように砕かれた破片だけであった。


レイド「ほう・・・」


マッド「お前が何処の誰だか知らないが、運が無いな。
     磁界を無効化してしまう炎の使い手2人に出くわし、しかも唯一の攻撃手段を見抜かれてしまうとは」


レイド「"唯一"・・・?確かに磁界は熱に弱いから大半の攻撃手段は使えない。
     でも、そう決め付けるのも十分おかしいと思うよ?これで終わりだと思うなよ・・・」


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〜その頃 地球防衛軍 第8基地では〜


浩二「あれ、ジャックもう大丈夫なの?」


ジャック「ええ・・・何とか。ところで、外が騒がしいのですが、何かあったのですか?」


アーガス「敵が攻めてきたのでマッド中尉とフレーム軍曹が戦に向かったんです」


ジャック「じゃあ・・・僕も行く」


浩二「駄目だよ。まだ体力が完全に回復したわけじゃないのに」


ジャック「行かせてください!!」


浩二「・・・」


ジャック「僕はもう決めたんです。仲間の分も生きると。それなのに僕だけ何もしないでいるのは嫌なんです。
      お願いします!浩二さん!僕にも行かせてくださいっ!!」


浩二「・・・わかったよ。ただし、僕もついていく。君一人じゃとても危険だよ。」


アーサー「いいんですか?浩二さん」


浩二「僕がついてくから大丈夫だよ。みんな、留守番頼んだよ・・・」


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レイド「マグネティック・キューブ!!


レイドが万歳の如く両手を挙げながら唱えると
上空から丁度人間と同じサイズの巨大な磁石がマッド目掛けて振ってきた。


マッド「おっと・・・(避
     こんなでかい物体まで出せるのか。
     だが所詮は磁石、熱には勝てんw」


レイド「どうだかね。磁力はなくとも、このような物体を何度でも落とすことができる。」


マッド(何だって・・・じゃあいくら溶かしてもキリがないというのか・・・
     一体どうすればいい・・・)


さっきまで余裕だったマッドはこの一言で一気に劣勢となり
危険な状況へと導かれた。

だが次の瞬間・・・



ドォン!!!



マッド・レイド(な・なんだ・・・?)



二人が音のする方へ振り向くと
大きな弾が飛んできたのだ。


二人は慌ててそれを避ける。


そしてその先をよく見ると戦車があった。


Menacerd 06である。


マッド(あの戦車・・・なぜこっちに向かって攻撃してくる?フレームは?


戦車のスピーカーから聞こえる声「フハハハハハ!!俺があのまま引き下がると思ったら大間違いだぜ?クズ共!!」


その声の主はレイドの必殺技に恐れて
恐怖の声を上げ、逃げ去った筈のファレオだった・・・。


マッド「お前まだいたのか?フレームはどうしたんだ!?」


ファレオ「フレーム?あの狂人かw この戦車が片付けてくれたさw」


マッド「そんな・・・フレーム!!」


マッドは慌てて走り出す。フレームのいる元へ・・・
しかし、その戦車は脅しのため、マッドの走り抜けようとした道を矛先に弾を撃った。


マッド「!!」


ファレオ「何処へ行くつもりだ?逃がしはせんぞw」


マッド「くそ!!」


レイド「まあいいw 戦うのは僕じゃない。
     助けがきたからな。」


マッド・ファレオ「何?」


ここにいるメンバー全員(3人)が振り向くと
浩二とジャックが立っていた。


ファレオの声「ふん、敵が何人来ようとこの戦車には勝てんw」


ジャック「これ以上・・・仲間を傷つけるな・・・」


ファレオ「ああ?何だって?よく聴こえん」


ジャック「これ以上仲間を傷つけるなと言ってんだよぉ!!!


ジャックのその叫びは、獣のように怒りに満ちていた。

いや、またあの獣の声そのものが重なって聞こえてきたのだ。
凶暴な何かがまた這い上がってくる感じがした。

だが残念なことにその予感は当たってしまう。
ジャックは快感を得たのか、再び半分だけ炎に包まれ炎体となった。

かつて洗脳されていたときのように、ジャックの顔ではなく、体も炎体となってしまっていた。


一同(何・・・?)


浩二「ジャック・・・?」


ジャック「イマワシイニンゲンヨ オレガテンバツヲアタエテヤル...グァァァァアアア!!」


ファレオ「な・なんだてめえは!?」


炎体となったジャックはまたも憎しみと苦しみが混ざったような表情をしていた。


ファレオ「くそ、まずはあの怪物を何とかせねば!撃てー!」


ドドドドドドド!!


しかし、ジャックはそれを軽々と避け、戦車へと近づいていく・・・。


ファレオ「うわああああああああああ!!」


やがて戦車へとたどり着き・・・
戦車の真上に乗った。


ジャック「タドリツイタゾ...」


ファレオ「やめろ・・・何をする気だ・・・」


戦車の内部にいるファレオが怯えに引き攣って、頭を抱え込んだ。


ジャック「シネ、オロカナニンゲンヨ...」


ジャックはそういって、拳を上げた。
その拳を振り落として戦車ごと破壊するつもりなのだろう。


ファレオ「貴様・・・まさか戦車ごと破壊するつもりか!!」


ファレオが疑いと動揺が同時に生じ、顔を引き攣らせた。


ジャック「モウオソイ、オレノナカマヲキズツケタホウガワルイ」


ジャックが最後の言葉を残し
溜め込んだ炎の拳を振り落とした。





ドオオオオオォォォォン!!!!!









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♪Nintendo DS「Phoenix Wright: Ace Attorney - Trials and Tribulations」より
from VGMusic

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