中間ストーリー4
〜背負うもの、守るもの〜
 (2/2)


正男たちは実際にこの世界に来て分かったことを話した。


──ネオセキガハラ大戦のこと


──それを真利夫から聞いたこと


──灰男の仲間がこの世界でやられてしまったこと


WPSももちろんネオ・セキガハラ大戦のことは知っていた。


ヨシキはルドア連合軍である大時空軍に対抗するため、WPS側も正男界の戦士たちを集めることにしたという結論を正男たちに話す。
レギュラー4人も、真利夫や灰男もそれには賛成のようだ。


しかし、WPS側にはひとつ気になっていることがあった。



ヨシキ「みんなに聞きたいんだが、アシュケリッヒという男に聞き覚えのある人は居るか?」


そう、先程会ったアシュケリッヒという謎の男。
レギュラーやそこにいる真利夫や灰男は知っているのだろうか。
WPSのメンバーには期待している者もいたが・・・


ザトシ「アシュkr…何だって?」


正男「その名前に聞き覚えはないな。」


浩二「僕も。」


クリス「私も。」


ヨシキ「何百人分の記憶があるから曖昧になってるだけかも知れないが
     誰も思い出せないってことは恐らく、ここにいるレギュラーで会ってる奴は居ないってことになるな。」


ヨシキ「念のため聞くが、真利夫と灰男は?」


真利夫「会ったことないな。」


灰男「ああ、同じだ。」


ディレイル「Hum...」


ライ「やはり、正男たちのいない世界の者…のようですね。」


ヨシキ「仕方ない…彼について調べるのは時間がかかりそうだ。後回しにしよう。」


正男「そういえば俺たちも知りたいことがる。あの∞ペトモンとかいう奴らだ。
    これまでも白黒のペトモンの現れるサイトは幾つかあったが、あの∞ペトモンとかいう奴らは攻撃力も含め、やけに一匹一匹が強い。
    奴らが何者なのか、知っているか?」


正男たちが疑問に思っていたのは∞ペトモンのことだった。
それについてヨシキが説明する。


ヨシキ「∞ペトモンとはすなわち、大時空軍における兵士といっていいだろう。
     だが、分かっているのはそれだけで、何処からどうやって作られたのかは一切分かっていない。」


ザトシ「まあ、ペットモンの遺伝子強化とかそんなところだろ」


ヨシキ「そう単純なものだとまだいいがなw」


と、ヨシキはほくそ笑んだ。
ペットモンの遺伝子強化以外に方法があるのだろうか。


ライ「確かにそれも気になりますが、まずは仲間を集めるのが先決でしょう。」


ヨシキ「そうだな。時空の覇者を誕生させないよう、これから俺たちみんなで正男界の戦士たちとの和睦に向かいたい。
     各自メンバーで分かれて和睦をしては状況と任務を伝え、味方をどんどん連鎖して増やしていくという仕組みで考えてる。
     もし他に意見がある人があれば言ってくれ。」


真利夫「そのやり方には賛成だ。だが、俺にはちょっとやりたいことがある。
      俺の所属している防衛軍の仲間とまず合流したい。WPSで何とかできるか?」


ヨシキ「承知した。但し、中央司令部には和睦という使命があるから俺たちでは手が回らない。
     真利夫の仲間探しには、他の司令部の方に俺から話をつけておこう。」


灰男「俺も頼む!まだ生きてる仲間がいるかもしれねえ!」


ヨシキ「了解だ。一緒に戦ってきた仲間が一人でも多いと心強いからな。
     真利夫と同様に、他の司令部に俺から話をつけておく。」


〜〜


そしてヨシキは通信機を起動させ、『こちら中央司令部…』と話を始めた。
2人のことを申請するのだろう。


〜〜


ヨシキ「今、2つの司令部に承諾を得た。今から真利夫と灰男にそれぞれメモを渡す。司令部の名前は…」


ヨシキが事務イスを回転させ机に体を向けた。
その素早い動きで右手でメモを書きながら小声でつぶやいていた。


ヨシキ「できたぞ、司令部の名前、行き方がここに書いてある。
     この部屋を出たら廊下を渡っていくとワープルームが…」


と、説明しながらヨシキは真利夫と灰男にメモ紙を渡した。


〜〜


真利夫「すまないな。仲間を見つけたら必ずお前たちに加勢する。では、行ってくるぞ。」


灰男「また後で会おうな!絶対にこの世界混雑とやらを終わらせようぜ!」


と、二人は退室した。


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ヨシキ「さて、根幹的に世界混雑と関わるメンバーだけになったわけだが…」


ハル「まずは何処の誰から仲間にするとか、決めてあるのか?」


レニウス「さっきの真利夫が所属する防衛軍や、灰男のキラット軍は元々正義を愛する軍だからきっと何も言わなくてもこっち側に来てくれるはず。
       それに真利夫や灰男は既に俺たちに付いてくれてるし、あいつらに任せておけば大丈夫そうだしな。
       だから、ほぼ中立の立場の組織、あるいは決断がついてない人たちを先に味方に付けた方が有利かもな。」


ディレイル「なるほど…急がないとルドア側に付く可能性のある者から味方に付けていく…ってことだな?」


ザトシ「レニウスって、意外に頭冴えてるんだな」


正男「お前に言われても嬉しくないだろーな」


レニウス「というか、俺はこう見えて学生時代は学年一桁だったぞ?
      WPSに入るには難しい筆記試験を受けなきゃいけないから、それなりに知性がないとそもそもWPSには居られないよ。」


浩二「学生時代…レニウスとかライとか、ちょっと想像できないけど…」


ミハリア「みんなにも若いころはあったわ。ちょっと特殊だったけど、私にもね…」


クリス「特殊だったって、どういうこと?」


正男「それについては俺と浩二が前に聞いたことがある。ミハリアとライの過去についてな。」


クリス「へぇ…ちょっと聞いてみたいかも!」


ミハリア「ゴホン!ヨシキ、話を続けてくれるかしら?」


ミハリアは自分の過去のことについて話されると少し恥ずかしそうに顔を赤らめていた
が、それを隠すように咳払いをし、ヨシキに話を振った。


ヨシキ「あ、ああ…、二人づつに分かれて和睦に向かおうと思う。」


ミハリア「今ここにいるのは10人だから、5組にになるわね。」


ライ「その中にはヨシキも含まれています。大迷宮では時空の歪みが激しく
   ここからではヨシキの通信が上手く届かない危険性がありますので、ヨシキにも現場に出て頂く必要があります。」


ザトシ「でも、ヨシキって確か戦闘能力は持ってないんだよな?」


ライ「ええ、なのでヨシキには私が就こうと思います。ヨシキには皆さんのバックアップに集中して頂く必要がありますので。」


レニウス「まあ、ライが居れば安心だな。」


ヨシキ「では、レギュラー達の意見を参考に心当たりのある奴らが居れば教えてくれ。
     その意見を基に同盟確立の策を練っていく。」


浩二「あ、それなら僕の気になってる種族がいるんだ。実は…」


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ヨシキの指揮の通り、レギュラー4人に心当たりのある戦士たちを追って彼らの和睦に向かうことにした。
優先して味方に付けたい者から順に和睦していくとのことで、レギュラーとWPS中央幹部1人づつがそれぞれ手分けして和睦に向かう。

一方、真利夫と灰男はそれぞれの自分の所属していた組織の仲間を探すため、WPSの他の司令部へと向かった。
見つけ次第、こちらにも加勢してくれることだろう。

正男界最大と言っても過言ではない程に大きな大迷宮のなか、彼らは果たしてどのような戦いを求められるのだろうか…。


♪Snow Ground
from 3104式

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